運輸安全委員会は2016年5月19日(木)、別海フライトパーク場外離着陸場で発生した2015年7月20日(月)のセスナ172P、「JA4005」の事故報告書を発表しました。この事故では機長と同乗者2名が重傷、搭乗していた1名が軽傷を負いました。機体は左右の両翼とも翼端付近が上側に変形したほか、前脚と右主脚折損、操縦系統の破断と固着、エンジンカウリングの一部が焼損、大破しました。
報告書で、事故は離陸上昇中に低高度で失速し、速度の回復ができずに操縦困難となり墜落したと推定しています。低高度での失速は、上昇中のピッチ・コントロールが適切に行われず、失速速度に近い低速での飛行を継続し、低高度でフラップがフルアップになったことによるものとみています。
適切に行われなかったピッチ・コントロールは、機首上げになりやすい状態で、上昇に移る前の加速を機長が確実に行わず、操舵が難しい低速度に加え、上昇中の速度計の監視が不適切であったとしています。