ANA、日本初の整備士養成の訓練専用機材を導入 737-500を活用

ANA、日本初の整備士養成の訓練専用機材を導入 737-500を活用

ニュース画像 1枚目:整備訓練専用の機材、737-500「JA301K」
© ANA
整備訓練専用の機材、737-500「JA301K」

全日空(ANA)は2018年5月11日(金)、退役した737-500を整備士養成のための訓練専用機材として活用すると発表しました。退役した大型ジェット機を1機丸ごと整備訓練専用の機材として使用することは、日本の航空会社としては初めての試みです。これにより、ANAは整備品質と安全性の向上につなげます。

使用する機材は、737-500の機体記号(レジ)「JA301K」で、定置場が羽田空港、2018年4月6日(金)付けで所有者がANAホールディングスからANAに移行しています。ANAは、訓練に使用する機材として必要な準備を行い、7月から整備訓練に投入します。

ANAはこれまで、技術系の新入社員に対し、航空機のシステムや整備方法を学ぶ講義、航空機の一部を模したモックアップを用いた整備作業の基礎を学ぶ訓練を行い、その後の格納庫内での集合訓練で実機に対する整備の実技経験を積む訓練を実施してきました。この体系では、実機での様々な整備業務に触れ、実技経験を習得するまで時間を要してきました。

実機を使用した訓練により、(1)従来の訓練体系では実施が困難であった、実機に対する様々な整備作業、(2)実機では経験することのできない「失敗」を早い時期に経験、(3)訓練専用機を使用した知識の現物確認、(4)訓練専用機で多くの新入社員が同時に実技訓練を実施でき、効率的な訓練が可能、といったメリットが見込まれています。

今後、ANAは航空運送事業の拡大に伴い、保有機が増加する予定ですが、こうした状況に対応するため、早い時期から技術系の新入社員に訓練専用機を使用した実技経験を積む機会を確保し、機材の生産や稼働に影響を及ぼさない効率的なタイミングで多くの経験を積む環境を構築します。

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