搭乗レビュー
2017年秋の帰国旅行10便目:旅の最後は80歳を迎えたエアーカナダ
- 口コミ投稿者
- MaplecroftInnkeeperさん
搭乗写真
総評
フランクフルトで1泊のレイオーバーの後、朝早く電車に乗って再び空港に向かいました。もうここまでくるとあとは帰るだけなので、楽しかった旅ももう終わりというしんみりした気分です。朝のフランクフルトは、どんよりと雲に覆われ、空港に着いた頃には、また雨が降りだしていました。
さて、旅の最後を飾ったのは、7年ぶりに乗るエアーカナダでした。初めて利用したのは、モントリオールからトロント経由で東京までの旅でした。米系に比べて繊細さがあって優しい感じがする印象を受けましたが、7年ぶりの再会でもその印象を覆されることはありませんでした。北米系エアラインで1位と、常に米系の上にランクされているのも十分うなづけます。今回は一つ違った体験として、プレミアム・エコノミーに座ってみることにしました。
ところで、エアーカナダは今年で創業80年を迎えました。始めは、カナダ政府が、大陸の東西を結ぶ航空路線を確立することを狙ってトランス・カナダ・エアラインズという名称で1937年に国営エアラインを創設したのが始まりです。当時すでに存在していたカナディアン・エアウェイズ(後のカナディアン・パシフィック・エアウェイズ、その後のカナディアン・エアラインズ)から機材を購入し、ユナイテッドやアメリカン航空から経験ある管理者を迎え入れて、新たなエアラインが創設されました。最初のフライトはバンクーバーからシアトルまでの短距離便でしたが、その翌年にはCAが雇われ、1939年にモントリオールとバンクーバーを結ぶ長距離路線が開設されました。
カナダ政府はこの新エアラインを保護するため、東西を結ぶ国内長距離路線の独占をほぼ認めました。1964年には国のフラッグキャリアとしての地位を確立したとして、「エアーカナダ」に名称が変更されました。その後1978年のエアーカナダ法で、こうした保護政策は終了し、さらに80年代の航空業規制緩和政策によって、カナダの航空業界は完全に公平で健全な競争体制となりました。
エアーカナダは1987年に、世界で初めてすべての機材を完全禁煙とした航空会社です。また1997年に結成スターアライアンスの創設メンバーでもあります。2001年には2番手のライバルだったカナディアン・エアラインズを買収して、カナダ唯一の大きなエアラインとしての地位を確立しました。しかし、エアーカナダも御多分にもれず、2001年の911事件以降苦境に陥って、2003年には会社更生法の適用を受けることになります。その後のコスト削減努力の一環か、2004年10月にはB747を完全に退役させてA340に切り替え、まもなくB787やB777をどんどん発注するなど、フリートの一新を図ります。また機体の内外の模様替えも実施して、今見られるような薄いブルーを基調とした機体が登場したのもそのすぐ後で、機内の設備も一新したりしました。今年はエアーカナダ創設80周年記念の年でもあり、カナダ建国150年の年でもあることから、黒地に赤い楓の葉を模った新しい尾翼を特徴とする機体の新しいデザインが登場しました。
さて、今回乗ったプレエコですが、これが初めて導入されたのは2013年で、新しいB777-300ERで運航されるモントリオール-パリ間の便に初めて設定されました。新しいB787にももちろんプレエコ設定が予定されました。優先チェックインや優先搭乗、$25の料金でのラウンジの利用、広い座席、ウェルカムドリンクやアメニティ、熱いおしぼりのサービスや、1ランク上の食事といった内容が当時発表されました。(「当時」などと言っても、まだたった4年前のことなんですね。)特に、20インチというかなり広いシート幅が、大きなセールスポイントとして押し出しているようです。
乗ってみると、確かに座席は広く、優先搭乗から、ウェルカムドリンク、おしぼりのサービス、座席に置いてある水のペットボトルなど、一通りの線はクリアしています。食事もルフトハンザのように食器だけではなく、明らかに内容にも少しだけど差をつけています。B777でたった24席というのは、ビジネスクラスより少ない座席数ですが、そのために別な内容の食事を用意しているというのは立派ですよね。Skytraxのプレエコ部門でも全然ランクインしていませんけど、3位に入っているルフトハンザに比べても、それほど劣っているとは決して思いませんでした。ただ、往路のルフトがガラガラだったのに比べ、こちらのプレエコはほぼ満席だったので、やや窮屈ではありましたが、それはしかたのないことだとして、ランキングなんてそんなものなんでしょうか。要は利用する立場として楽しめればいいのですよね。
飛行機に乗ることが、出張の多い仕事の一部だったりして日常の事になっている人たちにとっては、ただ面倒臭いことだったり、何とも思わないことかもしれませんが、自分にとっては搭乗体験の一つ一つが人生の思い出を飾る大切なものであり、またそうなるように、色々と考えて十分計画と準備を重ねて搭乗口に臨んでいます。だからその度に新しい体験をしたり、新しいことを学んだり、新しいことを考えたりして、心に焼き付けているのです。
今回の旅では、エコノミーも、プレミアム・エコノミーも、ビジネスクラスも、JALの国内線ファーストクラスも、そして日本のLCCまで体験できて、なんだか空の旅の集大成だったような気がします。旅の最後まで満足のいくフライトが楽しめて、今回は亡くなった叔母がプレゼントしてくれた素晴らしい旅になったような気がしました。
飛行機はほぼ定刻でスムーズに飛び、無事にモントリオールに到着しました。これで今回の旅も終わりだと思うと、ちょっと寂しいです。今度はいつまた旅ができるかなあ、なんて考えながら、帰りのバスに乗り込みました。
さて、旅の最後を飾ったのは、7年ぶりに乗るエアーカナダでした。初めて利用したのは、モントリオールからトロント経由で東京までの旅でした。米系に比べて繊細さがあって優しい感じがする印象を受けましたが、7年ぶりの再会でもその印象を覆されることはありませんでした。北米系エアラインで1位と、常に米系の上にランクされているのも十分うなづけます。今回は一つ違った体験として、プレミアム・エコノミーに座ってみることにしました。
ところで、エアーカナダは今年で創業80年を迎えました。始めは、カナダ政府が、大陸の東西を結ぶ航空路線を確立することを狙ってトランス・カナダ・エアラインズという名称で1937年に国営エアラインを創設したのが始まりです。当時すでに存在していたカナディアン・エアウェイズ(後のカナディアン・パシフィック・エアウェイズ、その後のカナディアン・エアラインズ)から機材を購入し、ユナイテッドやアメリカン航空から経験ある管理者を迎え入れて、新たなエアラインが創設されました。最初のフライトはバンクーバーからシアトルまでの短距離便でしたが、その翌年にはCAが雇われ、1939年にモントリオールとバンクーバーを結ぶ長距離路線が開設されました。
カナダ政府はこの新エアラインを保護するため、東西を結ぶ国内長距離路線の独占をほぼ認めました。1964年には国のフラッグキャリアとしての地位を確立したとして、「エアーカナダ」に名称が変更されました。その後1978年のエアーカナダ法で、こうした保護政策は終了し、さらに80年代の航空業規制緩和政策によって、カナダの航空業界は完全に公平で健全な競争体制となりました。
エアーカナダは1987年に、世界で初めてすべての機材を完全禁煙とした航空会社です。また1997年に結成スターアライアンスの創設メンバーでもあります。2001年には2番手のライバルだったカナディアン・エアラインズを買収して、カナダ唯一の大きなエアラインとしての地位を確立しました。しかし、エアーカナダも御多分にもれず、2001年の911事件以降苦境に陥って、2003年には会社更生法の適用を受けることになります。その後のコスト削減努力の一環か、2004年10月にはB747を完全に退役させてA340に切り替え、まもなくB787やB777をどんどん発注するなど、フリートの一新を図ります。また機体の内外の模様替えも実施して、今見られるような薄いブルーを基調とした機体が登場したのもそのすぐ後で、機内の設備も一新したりしました。今年はエアーカナダ創設80周年記念の年でもあり、カナダ建国150年の年でもあることから、黒地に赤い楓の葉を模った新しい尾翼を特徴とする機体の新しいデザインが登場しました。
さて、今回乗ったプレエコですが、これが初めて導入されたのは2013年で、新しいB777-300ERで運航されるモントリオール-パリ間の便に初めて設定されました。新しいB787にももちろんプレエコ設定が予定されました。優先チェックインや優先搭乗、$25の料金でのラウンジの利用、広い座席、ウェルカムドリンクやアメニティ、熱いおしぼりのサービスや、1ランク上の食事といった内容が当時発表されました。(「当時」などと言っても、まだたった4年前のことなんですね。)特に、20インチというかなり広いシート幅が、大きなセールスポイントとして押し出しているようです。
乗ってみると、確かに座席は広く、優先搭乗から、ウェルカムドリンク、おしぼりのサービス、座席に置いてある水のペットボトルなど、一通りの線はクリアしています。食事もルフトハンザのように食器だけではなく、明らかに内容にも少しだけど差をつけています。B777でたった24席というのは、ビジネスクラスより少ない座席数ですが、そのために別な内容の食事を用意しているというのは立派ですよね。Skytraxのプレエコ部門でも全然ランクインしていませんけど、3位に入っているルフトハンザに比べても、それほど劣っているとは決して思いませんでした。ただ、往路のルフトがガラガラだったのに比べ、こちらのプレエコはほぼ満席だったので、やや窮屈ではありましたが、それはしかたのないことだとして、ランキングなんてそんなものなんでしょうか。要は利用する立場として楽しめればいいのですよね。
飛行機に乗ることが、出張の多い仕事の一部だったりして日常の事になっている人たちにとっては、ただ面倒臭いことだったり、何とも思わないことかもしれませんが、自分にとっては搭乗体験の一つ一つが人生の思い出を飾る大切なものであり、またそうなるように、色々と考えて十分計画と準備を重ねて搭乗口に臨んでいます。だからその度に新しい体験をしたり、新しいことを学んだり、新しいことを考えたりして、心に焼き付けているのです。
今回の旅では、エコノミーも、プレミアム・エコノミーも、ビジネスクラスも、JALの国内線ファーストクラスも、そして日本のLCCまで体験できて、なんだか空の旅の集大成だったような気がします。旅の最後まで満足のいくフライトが楽しめて、今回は亡くなった叔母がプレゼントしてくれた素晴らしい旅になったような気がしました。
飛行機はほぼ定刻でスムーズに飛び、無事にモントリオールに到着しました。これで今回の旅も終わりだと思うと、ちょっと寂しいです。今度はいつまた旅ができるかなあ、なんて考えながら、帰りのバスに乗り込みました。
フライトログ
搭乗の詳細データです。
- 座席番号
- 13K
- 搭乗クラス
- プレミアム・エコノミー
- 区間マイル
- 3,640
- 出発予定時刻
- 10:30
- 到着予定時刻
- 12:20
- 予定飛行時間
- 7:50
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