航空会社 ルフトハンザドイツ航空
- 国
- ドイツ
- IATA | ICAO
- LH | DLH
- メンバー評価
- 搭乗レビュー 3.80 [636件]
- アライアンス
- スターアライアンス
搭乗レビュー
2017年秋の帰国旅行1便目:97歳で亡くなった叔母への最後のさようならを言いに
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 (運航会社:エア・カナダ)
- 便名
-
AC9098
プレミアムエコノミー
- 搭乗日
- 2017/10
- 路線
- モントリオール → ミュンヘン
- 機体記号
- D-AIKF
- 機材
- Airbus A330-343X
- 口コミ投稿者
- MaplecroftInnkeeperさん
搭乗写真
総評
この数年、気候の穏やかな桜の季節を選んで年に一度帰国するようにしていました。90歳を過ぎた叔母に会いに行くのがその大きな理由の一つでした。その叔母は、前回4月に訪問してから1か月ほどして、とうとう97歳で他界しました。小さい頃から可愛がってくれた優しい叔母でしたが、葬式にも納骨にも参列できずに悔しい思いをしました。それで、せめて年内に最後のお別れを言いに行こうと思い、今年二度目の帰国をすることにしたのです。これからこんな帰国旅行をすることも少なくなるのかなという複雑な思いを抱いての旅でした。
その今回の旅、慌てることもないし、思い残すことがないように、せいぜい楽しい旅にしようと考えて計画しました。ここ数年、体験したことのないエアラインをなるべく選んで利用するようにしていましたが、この1便目に選んだルフトハンザ(エアカナダとのコードシェアですが、運航はルフトハンザです)は、数年前に乗ったエアラインです。そこで、新しい体験として、プレミアム・エコノミーに乗ってみることにしました。
そもそもプレミアム・エコノミーなるものが初めて登場したのは1991年のことで、台湾のEVA航空が「エバーグリーン・デラックス」という名前で導入したのが最初と言われています。太平洋航路のB747の最前部に設けられ、2-4-2の座席配列になっていました。その少し前の1989年にSASが先頭に立ってファーストクラスを廃止しましたが、その後1992年に、コンチネンタル航空が従来のファーストクラスに代えて「ビジネス・ファースト」なるクラスを導入するなど、90年代はいろんなエアラインが次々と「ビジネスクラス」を導入して、ファーストクラス廃止を進めた時代ですね。プレエコは、そんな中に混じって静かに登場した新時代のクラスなんですね。
僕は数年前まで、プレエコなんていうクラスが存在することさえ知らなかったのですが、初めてそれを体験したのは、2012年に利用したトルコ航空(現ターキッシュ)で、ちょうどその前の年に自社購入したB777に「コンフォートクラス」なるものを導入したばかりの時でした。これはかなり短命で、2013年頃からすでに廃止の噂が流れ始めていましたが、すったもんだした挙句に、つい2~3年前ごろに全面的に廃止になってしまいましたね。しかし、あの時は、JFKからIST経由のNRTまでの往復が、導入時のキャンペーン価格だったのか、普通のエコノミーに毛が生えたような値段だったので、この内容でこんな値段ならと、思わず飛びついてしまいました。ビジネスのすぐ後ろにドーンと1区画を占めて64席もあったプレエコは、ビジネスと同じ2-3-2のコンフィギュ、シートピッチも46インチという、破格の広さ。しかも機内食も、ウェルカムドリンクこそなかったですが、最初にドリンクとナッツ、カナッペ3種、その次にメインとしてすごいボリュームの冷たいサラダと温かい料理、さらにデザートとしてチーズ、フルーツ、スイーツの盛り合わせが、どれもきちんとした陶器の食器で順番に出てくるという、かなりビジネスに近い感動ものだったんです。
その翌年あたりにチェックしてみたら、さすがに値段は倍くらいになっていました。
それを覚えているので、多くのエアラインが導入していてかなり定着しているこの頃のプレエコを見ると、30年くらい前のエコノミーと同じレベルかそれ以下で、ややがっかりしてしまいます。そういえば、ビジネスクラスの前衛として初めて登場したパンナムの「クリッパークラス」は、今のプレエコと本当によく似ていましたよね。飛行機の搭乗クラスも、どんどん変わっていくのですね。そのうち、「ザセキ」ではなく、「ザシキ」の雑魚寝スペースが設けられるなんていうことも・・・考えられないか・・・。
ルフトハンザは、今年のスカイトラックスの評価におけるプレミアム・エコノミー部門で3位に入っているので、きっと世界の標準ではこの程度が今のプレエコの限界で、これ以上期待してはいけないのですね。乗ってみると、確かに座席はエコノミーよりやや広く、一応ウェルカムドリンクもあるし、ペットボトルの水やアメニティーキットも用意されているし、機内食も内容はエコノミーと同じようなものでも、食器類がしっかりしているし、多少の余裕は感じられます。キャビン内はかなり空いていて、自分の隣も空席だったので、スペース的にはかなり快適でした。
思えば、この日は空港まで5時間もぼんやりとバスに揺られ、空港では時間を持て余してぼんやりと過ごし、自宅を出たのは朝なのに、実際に飛行機に乗り込む頃には、もうすっかり夜になっていました。なんだかゆっくりと静かに時間が過ぎて行った旅の始まりでした。無事に離陸し、食事をいただくと、もうすっかり夜も更けたという時間になってしまいました。そうか、今回はさよならを言いに行く旅なんだっけ・・・、とふと思い出すと、叔母の優しい顔が窓に浮かんで微笑みかけているように見える気がしました。
飛行機は約30分遅れて出発しましたが、遅れを取り戻してほぼ定刻にミュンヘンに到着しました。
ちょっと評価的なことを書いてみると、
※搭乗口が、エコノミーの列と、ビジネス&ファーストの列に分かれていましたが、プレエコの並ぶ場所がありませんでした。エコノミー列は、座席の番号で2列に分かれていましたが、プレエコの列はどこにも当てはまらず、優先搭乗できるはずなのに、おとなしくエコノミーの列に並びました。
※古い機材ですが、機内はリニューアルされていて、きれいでした。
エンタメは、スクリーンも大きく、画質も鮮明だし、タッチの感度も大変よかったですが、コンテンツは少なく、オーディオは音量が低くて聞こえず、しかもヘッドホンの片側しか聞こえませんでした。
USBポートは、壊れていたのか、全然さしこめませんでした。(座席下の電源は使えました。)
※機内食は、食器だけで、内容はかなりお粗末でした。「野菜のパスタ、トマトソース添え」という記載でしたが、野菜はひとかけらもなく、トマトソースといっても、ただ色がついているだけで、存在感はありません。つまり、ゆですぎてブヨブヨになった味のないパスタで容器がうまっているという感じでした。
※到着前の軽食も陶器製の食器やグラスで出てきたのはよかったと思います。
※CAさんがボトルを持って、ワインのおかわりを勧めに来たので、お願いしますとグラスを差し出したら、狙いが逸れてグラスの外に注がれ、手にも、袖口にも、座席に置いていたカバンにも、ベチャベチャに赤ワインをこぼされてしまいました。慌てて何か拭くものを持ってきたと思ったら、ただの紙ナプキンで、そんなものではどうにもなりません。仕方なく、ペットボトルの水でナプキンを濡らして拭いていたら、責任者のCAさんが、ウェットティッシュをいくつも持って謝りに来ました。まだ2回目の新米CAだとのことでしたが、揺れていた訳でもないところでワインをそんなふうにこぼすなんて、新米云々以前の問題だと思いました。ルフトハンザの航空券か機内免税品購入に使える€25分のバウチャーをくれましたけど、使っていません。
その今回の旅、慌てることもないし、思い残すことがないように、せいぜい楽しい旅にしようと考えて計画しました。ここ数年、体験したことのないエアラインをなるべく選んで利用するようにしていましたが、この1便目に選んだルフトハンザ(エアカナダとのコードシェアですが、運航はルフトハンザです)は、数年前に乗ったエアラインです。そこで、新しい体験として、プレミアム・エコノミーに乗ってみることにしました。
そもそもプレミアム・エコノミーなるものが初めて登場したのは1991年のことで、台湾のEVA航空が「エバーグリーン・デラックス」という名前で導入したのが最初と言われています。太平洋航路のB747の最前部に設けられ、2-4-2の座席配列になっていました。その少し前の1989年にSASが先頭に立ってファーストクラスを廃止しましたが、その後1992年に、コンチネンタル航空が従来のファーストクラスに代えて「ビジネス・ファースト」なるクラスを導入するなど、90年代はいろんなエアラインが次々と「ビジネスクラス」を導入して、ファーストクラス廃止を進めた時代ですね。プレエコは、そんな中に混じって静かに登場した新時代のクラスなんですね。
僕は数年前まで、プレエコなんていうクラスが存在することさえ知らなかったのですが、初めてそれを体験したのは、2012年に利用したトルコ航空(現ターキッシュ)で、ちょうどその前の年に自社購入したB777に「コンフォートクラス」なるものを導入したばかりの時でした。これはかなり短命で、2013年頃からすでに廃止の噂が流れ始めていましたが、すったもんだした挙句に、つい2~3年前ごろに全面的に廃止になってしまいましたね。しかし、あの時は、JFKからIST経由のNRTまでの往復が、導入時のキャンペーン価格だったのか、普通のエコノミーに毛が生えたような値段だったので、この内容でこんな値段ならと、思わず飛びついてしまいました。ビジネスのすぐ後ろにドーンと1区画を占めて64席もあったプレエコは、ビジネスと同じ2-3-2のコンフィギュ、シートピッチも46インチという、破格の広さ。しかも機内食も、ウェルカムドリンクこそなかったですが、最初にドリンクとナッツ、カナッペ3種、その次にメインとしてすごいボリュームの冷たいサラダと温かい料理、さらにデザートとしてチーズ、フルーツ、スイーツの盛り合わせが、どれもきちんとした陶器の食器で順番に出てくるという、かなりビジネスに近い感動ものだったんです。
その翌年あたりにチェックしてみたら、さすがに値段は倍くらいになっていました。
それを覚えているので、多くのエアラインが導入していてかなり定着しているこの頃のプレエコを見ると、30年くらい前のエコノミーと同じレベルかそれ以下で、ややがっかりしてしまいます。そういえば、ビジネスクラスの前衛として初めて登場したパンナムの「クリッパークラス」は、今のプレエコと本当によく似ていましたよね。飛行機の搭乗クラスも、どんどん変わっていくのですね。そのうち、「ザセキ」ではなく、「ザシキ」の雑魚寝スペースが設けられるなんていうことも・・・考えられないか・・・。
ルフトハンザは、今年のスカイトラックスの評価におけるプレミアム・エコノミー部門で3位に入っているので、きっと世界の標準ではこの程度が今のプレエコの限界で、これ以上期待してはいけないのですね。乗ってみると、確かに座席はエコノミーよりやや広く、一応ウェルカムドリンクもあるし、ペットボトルの水やアメニティーキットも用意されているし、機内食も内容はエコノミーと同じようなものでも、食器類がしっかりしているし、多少の余裕は感じられます。キャビン内はかなり空いていて、自分の隣も空席だったので、スペース的にはかなり快適でした。
思えば、この日は空港まで5時間もぼんやりとバスに揺られ、空港では時間を持て余してぼんやりと過ごし、自宅を出たのは朝なのに、実際に飛行機に乗り込む頃には、もうすっかり夜になっていました。なんだかゆっくりと静かに時間が過ぎて行った旅の始まりでした。無事に離陸し、食事をいただくと、もうすっかり夜も更けたという時間になってしまいました。そうか、今回はさよならを言いに行く旅なんだっけ・・・、とふと思い出すと、叔母の優しい顔が窓に浮かんで微笑みかけているように見える気がしました。
飛行機は約30分遅れて出発しましたが、遅れを取り戻してほぼ定刻にミュンヘンに到着しました。
ちょっと評価的なことを書いてみると、
※搭乗口が、エコノミーの列と、ビジネス&ファーストの列に分かれていましたが、プレエコの並ぶ場所がありませんでした。エコノミー列は、座席の番号で2列に分かれていましたが、プレエコの列はどこにも当てはまらず、優先搭乗できるはずなのに、おとなしくエコノミーの列に並びました。
※古い機材ですが、機内はリニューアルされていて、きれいでした。
エンタメは、スクリーンも大きく、画質も鮮明だし、タッチの感度も大変よかったですが、コンテンツは少なく、オーディオは音量が低くて聞こえず、しかもヘッドホンの片側しか聞こえませんでした。
USBポートは、壊れていたのか、全然さしこめませんでした。(座席下の電源は使えました。)
※機内食は、食器だけで、内容はかなりお粗末でした。「野菜のパスタ、トマトソース添え」という記載でしたが、野菜はひとかけらもなく、トマトソースといっても、ただ色がついているだけで、存在感はありません。つまり、ゆですぎてブヨブヨになった味のないパスタで容器がうまっているという感じでした。
※到着前の軽食も陶器製の食器やグラスで出てきたのはよかったと思います。
※CAさんがボトルを持って、ワインのおかわりを勧めに来たので、お願いしますとグラスを差し出したら、狙いが逸れてグラスの外に注がれ、手にも、袖口にも、座席に置いていたカバンにも、ベチャベチャに赤ワインをこぼされてしまいました。慌てて何か拭くものを持ってきたと思ったら、ただの紙ナプキンで、そんなものではどうにもなりません。仕方なく、ペットボトルの水でナプキンを濡らして拭いていたら、責任者のCAさんが、ウェットティッシュをいくつも持って謝りに来ました。まだ2回目の新米CAだとのことでしたが、揺れていた訳でもないところでワインをそんなふうにこぼすなんて、新米云々以前の問題だと思いました。ルフトハンザの航空券か機内免税品購入に使える€25分のバウチャーをくれましたけど、使っていません。
フライトログ
搭乗の詳細データです。
- 座席番号
- 14A
- 搭乗クラス
- プレミアム・エコノミー
- 区間マイル
- 3,820
- 出発予定時刻
- 20:30
- 出発時刻
- 21:15
- 到着予定時刻
- 9:15
- 到着時刻
- 9:15
- 予定飛行時間
- 7:45
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