2019年春の旅6便目-エスカレートするサービスのカスタマイズ化について思うこと - ルフトハンザドイツ航空 口コミ・評価

航空会社 ルフトハンザドイツ航空

2024年04月23日に撮影されたルフトハンザドイツ航空の航空機写真

© まぁくさん

ドイツ
IATA | ICAO
LH | DLH
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
2019年春の旅6便目-エスカレートするサービスのカスタマイズ化について思うこと

航空会社
ルフトハンザドイツ航空
便名
LH410
エコノミー
搭乗日
2019/03
路線
ミュンヘン → JFK(ニューヨーク)
機体記号
D-AIHV
機材
Airbus A340-642X
総評:4
4ッ星
機内食・ドリンク
4ッ星
座席(シート)
3ッ星
機内スタッフサービス
5ッ星
エンターティメント
4ッ星
トイレ・洗面台
4ッ星
機材コンディション
4ッ星
地上サービス
3ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
1,197
投稿日
2019/04/08

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ターミナルからは、この細長く美しい機... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    ドリンクサービスでいただいた赤ワイン... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    34ドル払って事前注文したアラカルト... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    他の人たちの通常食を配りながら飲み物... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    エコノミークラスの真ん中、通常だとト... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    トイレは下に5つあります。普通ですが... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    到着前の軽食は、ベジタリアン・フラッ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    あんまりまずいので、思わず箱の裏を見... 続き

総評

ミュンヘンでの乗り継ぎも平穏無事に通過し、いよいよ大西洋を渡って帰る時が来てしまいました。今度の機材はA340-600です。これを飛ばしているエアラインは数少なく、大きい所ではルフト以外だと、南アフリカ航空、イベリア、カタール、バージンアトランティックくらいでしょうか。なかなかお目にかかれない飛行機ですけど、その中でもルフトハンザは、エコノミークラスのトイレが階段を下りた下の階にあるユニークな設計になっていて、以前から乗ってみたいと思っていました。

A340という飛行機は、現在33機持っているルフトが一番多いようです。というのも、A340のローンチカスタマーは他でもないルフトで、1993年3月に、A340-200を飛ばしたのが初めです。(そのすぐあとに、エールフランスがA340-300の運航を開始しています。)そのA340-200は、1993年のパリのエアーショーでデモ飛行を行い、パリからニュージーランドのオークランドまで、片道1万マイル以上を21時間半ずつ、5時間ほど止まってのとんぼ返りで、48時間で戻ってきたことで世界記録を塗り替えた機材です。(この記録は1997年にB777-200ERに破られるまで保持されました。)

A340-600のローンチカスタマーはバージンアトランティックで、2002年7月に飛ばし始めました。それ以外に、A340-500というのもありますが、これは当初エアーカナダがローンチカスタマーだったはずなのですが、破産申告をしたためにデリバリを遅らせることになり、それに代わってエミレーツが2003年初めに、ドバイ-ニューヨーク路線にこれを投入したのが最初です。が、A340-500といえば、やはりシンガポール航空の世界最長路線ではないでしょうか。2004年から2013年まで、オールビジネスクラスのSQ21/22としてニューアークーシンガポールの18時間半のフライトが運航されました。これは採算が取れなくなったのか、廃止になってしまっていましたが、つい最近、去年の10月からA350-900ULRで再開されました。そんなところにも、新世代への生まれ変わりが感じられます。

新時代といえば、このA340は四発機ということもあって、燃料効率などの面で双発機のB777に勝てなかったのか、受注数380機程度で、2011年に製造が終了してしまいました。スラーッと細長く美しい機体が自分としては好きなんですけど、美しいだけではダメですね。

事実、ルフトハンザは四発機を減らす方向に進んでいて、14機ほどあるA380のうち6機をエアバスに売却することにしていますし、それ以外にも今ある古い四発機に置き換える目的で、B777-9を20機ほど発注済みで2020年から受領開始予定となっています。さらについ最近、B787-9も20機発注したばかりですね。ルフトハンザはB777もB787も1機も持っていないので、ワクワクの新機材ということになります。 同時にA350-900もすでに発注済みの25機に加えて20機追加発注したので、それらを受領する頃には、四発機が全滅ということも考えられるかもしれませんね。

またそれに伴って、ビジネスクラスも、現在の2-2-2コンフィギュに代えて、座席がV字型に斜めに向いて並び、各席から通路に直接アクセスできる、個室感のある設計に更新されます。初回受領分は、ファーストクラスのない古い機材に代わるということなのですが、古い四発機のB747-400かA340-300のどちらを退役させるかは、まだ決定しいないようです。また現在発注済みの新機材を、オーストリア、スイスを含めたグループ全体として、どのエアラインに配分するかもまだ未決定らしいです。しかし、ルフトハンザは方針として、長距離線機材のうちファーストクラスのある機材の割合を50%程度に維持するということなので、その次の受領分にはきっと新設計のファーストクラスも装備されるのでしょうから、そうなると必然的にA340-600が退役の対象になるんでしょうね。あと1~2年の命なのでしょうか。そう思うと、ルフトのA340-600に乗るのはこれが最初で最後かなという気がして、この体験をしっかり胸の奥に刻んでいこうと心して乗り込みました。

長い機体をずっと歩いてみたくて、わざと一番後ろの方の席を選んでおきました。というか、この頃は、ざわざわとした機内で人込みに囲まれるのが嫌なので、なるべく落ち着けるように、人込みから離れた最後方に席を取るようにしていますが、今回も結局満席で、窮屈。落ち着くどころではありません。ニューヨークはどのエアラインもドル箱路線なので仕方がないですね。でも今回は有料のアラカルトメニューを注文しておいたので、きっと通常機内食よりも先に配られるだろうから、一番後ろのギャレーに近い席だと、その時に飲み物も頼みやすいだろうと言う考えもありました。ルフトハンザは、去年の5月頃から、フランクフルトとミュンヘン発の長距離便のエコノミーで、7種類の有料アラカルトメニューを導入しています。ステーキや、地中海風と称したエビ入りパスタなどから、アジア風のカレーっぽいものや、お寿司などが入った和食のお弁当(一番高い)まで、いろいろと用意されていますが、値段も24ドルから38ドルと、結構高いです。今回は興味本位で、ステーキを注文しておきました。

さてその結果はというと、シニアのCAさんがきて、これからご注文なさったお食事をおもちしますが、お飲み物は何にしますかと聞くので、赤ワインをお願いしたら、なんとプラスチックのカップではなく、グラスに注いだワインを一緒にトレーに載せて持って来ましたた。途中でボトルをもっ来てワインのお代わりを勧めてもくれたので、そうしたサービスまで値段に含まれていたのでしょうね。飲み物の心配をして損しました。隣に座っていた女性も特別食でしたが、無料のベジタリアンミールだったので、飲み物はずっと後回しにされていました。そこまでちゃんと考えたルフトハンザは、やっぱりさすがです。食器類もカトラリーも含めて欧州線ビジネスクラスの食事といった感じになりました。後からさっきのCA さんが来て、まだ新しいサービスなんだけど、ステーキはどうだったかと聞くので、美味しかったですよと答えておきました。

こんな風にエコノミーでも有料の事前注文機内食を出すというのは、最近の傾向のようです。特にヨーロッパ系の航空会社はほとんどが事前注文の有料機内食を出しているようで、同じルフトハンザグループのスイス航空やオーストリア航空、IAG系列のブリティッシュやイベリア、エアリンガスなど、エールフランスやKLM(KLMは一時的にアラカルトメニューを休止しているようですけど)、それ以外にもSASなども同様のサービスを提供していますね。あと、ポーランド航空ではエコノミーでもプレエコの食事を有料で注文できるようです。

それに足並みをそろえるように、日本でもANAが欧米線で2,500円の有料の事前注文機内食のサービスをこの4月から開始したばかりですね。だけど、エコノミーの客って、基本的になるべく安くがモットーだと思うので、これらの有料機内食は、内容的に果たして値段に見合っているかというと、特に追加料金を払って注文しなくてもある程度の食事にはありつけることを考えると、メリットは少ないように思います。実際、この便でも有料食を注文した人は少ないようでした。なので、採算がとれているのかどうか、ちょっと疑問ですね。

しかし、多分最近の消費者の要求として、必要ないものはいらないしそれにお金を払いたくない、欲しいものは追加料金を払っても欲しい、選択肢は事前に把握できて決められる方がいいといった、多くの選択肢の中から自分に合ったサービスを選んでカスタマイズできるような形式が期待されているような気がします。だから、この有料機内食にしても、単にグレードが高いというだけでなく、メニュー内容がはっきり分かった選択肢がたくさん用意されているのもメリットの一つですね。(なので、ANAが新しく始めた有料機内食は、一般食と同じ和食か洋食かの選択しかないので、いくら値段が2,500円と比較的手ごろでも、あまりメリットはないように思います。)座席の事前選択や、預け荷物など、これまで当然運賃に含まれていたサービスも、すべて付帯サービスとして外されてカスタマイズの対象にされていく傾向はすでにかなり普及しているし、さらにこの前のTAPのレビューでも触れたように、エコノミーの座席にも色々な工夫を加えて、追加料金を払えば客のニーズに応じた快適さが得られるようにしたり、ファーストクラスはスイート化してますます豪華になっていくし、今後どこまでエスカレートするのかなあと思います。安くあげたければあらゆるサービスを一切排除して我慢すればいいし、サービスを受けたければいくらでも追加料金を払って付け加えればいいという消費者の心情をつかんではいるものの、個別化が進んですぐ隣の人とも差別が明確になってしまうし、乗務員の手間もかなりの負担になりそうだし、そのあたりがどうなのかなとも思います。

この便は搭乗記として動画にまとめてありますので、そちらも是非見てみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=RzWiUL_6MJk&t=639s

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
55K
搭乗クラス
エコノミー
区間マイル
4,020
出発予定時刻
12:25
到着予定時刻
15:25

コメントする

コメントを書くにはログインが必要です。

ログイン・会員登録はこちら
メニューを開く