世界初「航空機出発遅延抑制システム」の評価試験、セントレアで実施

世界初「航空機出発遅延抑制システム」の評価試験、セントレアで実施

ニュース画像 1枚目:航空機出発遅延抑制システムの構成
© NEC
航空機出発遅延抑制システムの構成

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業でデンソーウェーブ、埼玉大学、日本信号、日本電気(NEC)の4者は2019年1月29日(火)、「航空機出発遅延抑制システム」を開発、中部国際空港(セントレア)で試験を実施したと発表しました。

このシステムは、顔認証で登録された搭乗者の空港内位置情報を短時間で把握し、未搭乗者の預け入れ荷物を迅速に取り降ろすシステムです。評価試験はセントレアで、2018年12月3日(月)から12月14日(金)までと、1月21日(月)から1月25日(金)まで実施され、預け入れ荷物を取り降ろす時間を短縮するシステムとして、有効であることが確認されています。

国土交通省航空局によると、空港で搭乗者が搭乗時刻までに搭乗しないことで15分以上の出発遅延が2015年に国内線、国際線の合計で年間約150万便中5万便にのぼると報告されています。出発遅延の抑制には、搭乗者全員の空港内の位置情報の把握と、未搭乗者の預け入れ荷物の取り降ろし作業の迅速化が必要で、搭乗者全員を捜索する追跡性技術の向上と確立が急務です。

定時運行が実現すると、遅延時には回復運航による飛行高度や飛行速度の変更で消費する余分な航空機燃料が発生せず、省エネ効果が期待できます。4者は今回の基礎評価試験から得られた問題点や課題を踏まえ、早期の実用化を目指す方針です。

この試験では、搭乗者と電子タグによる預け入れ手荷物の情報をひも付ける手荷物自動預け機、搭乗券とパスポート情報・バイオメトリクスによる登録・照合機能が備わるE-ゲート、カメラ映像で本人と所在位置を特定する搭乗者捜索機器に加え、手荷物搭載係員の作業負担を軽減するベルトローダー車両用電子タグアンテナ機器、ウエアラブル端末の機器を用い、これらの機器で構成するシステムが開発されています。

期日: 2018/12/03 〜 2019/01/25
メニューを開く