運輸安全委員会は2019年2月28日(木)、2017年11月に兵庫県明石市の上空で発生したヘリコプター同士の異常接近について、調査報告書を公表しました。
この事案は2017年11月11日(土)、明石市魚住町上空の高度約300メートルから330メートルで、個人運航のロビンソンR44Ⅱ「JA274J」とヒラタ学園の兵庫県ドクターヘリEC135P2+の「JA831H」が、水平距離約30メートルから60メートル、高度差およそ30メートルから60メートルで交差したものです。交差時は「JA274J」が上、「JA831H」が下を飛行していました。
報告書では、「JA274J」と「JA831H」の機長が、相手機の接近を直前まで認知することができなかったため接近したとみています。また、両機が相手機の接近を直前まで認知できなかったことは、両機が衝突コース上を飛行していたため、互いに発見が遅れたことが関与したものとみています。
運輸安全委員会では、衝突や接触のリスクを低減するための対策として、衝突コース上の航空機は機影が停止して見えるため、視認が困難になることに留意し、効果的なスキャンによる機外の見張りを行うこと、飛行中は管制機関や飛行援助センターに位置通報を行い、情報の共有とトラフィック情報の入手に努めることなどを挙げています。