アルコール検知器検定制度がスタート、検知器の信頼性を担保

アルコール検知器検定制度がスタート、検知器の信頼性を担保

アルコール検知器の品質向上と普及に取り組むアルコール検知器協議会(J-BAC)は2019年4月24日(水)、第三者機関が品質検査を実施する新たな「アルコール検知器検定制度」の運用を開始しました。第1回申し込み受付を4月22日(月)に終了し、4月24日には書面審査会の審査をスタートしました。

アルコール検知器検定制度は、一定の品質管理体制のもとで製造・販売を管理し、設定された品質基準を満たすアルコール検知器に認定を与える仕組みです。第三者機関が審査を手がけることで、検知器の信頼性を担保し、航空をはじめとする運輸・交通関連事業者などに透明性の高い選択基準を提供します。

2018年の秋から、航空会社では操縦士や客室乗務員のアルコールに関する不適切な事
案が続発し、航空各社は乗務前アルコール検査の規定値を厳格化し、検査手法の改善に取り組むといった再発防止の動きが加速しています。

飲酒に関わる問題への対応は、船舶や鉄道を含め運輸・交通など、安全運行を支える業界からのニーズがかつてなく高まっています。こうした中、アルコール検知器の精度、信頼性の担保は課題の一つで、国内唯一の専門業界団体として2015年4月に発足したアルコール検知器協議会は客観的、かつ公正な検定の確立を目指し、国内外の規格調査や技術要件の検討を進めていました。

同協議会は2019年度、新たな制度の運用と同時に、認定される検知器が海外でも信頼性が担保されるよう、検定制度の日本工業規格(JIS)化を目指します。

■J-BAC加盟企業21社
光明理化学工業
サンコーテクノ
篠原計器製作所
新コスモス電機
タニタ
中央自動車工業
テックウェルインターナショナルジャパン
テレニシ
データ・テック
東海電子
ドコモ・システムズ
東洋マーク製作所
ドレーゲルジャパン
NISSHAエフアイエス
ネモト・センサエンジニアリング
パーマンコーポレーション
パイ・アール・フィガロ技研
前野技研工業
名鉄EI エンジニアリング
ヤナコ計測
■認定対象
・アルコール検知器協議会の正会員法人
 が製造または販売するアルコール検知器
・「呼気」を計測対象とする製品
・検知原理や呼気採取方法、用途、形状、
 使用環境、記録方式を問わず幅広い製品
<認定基準・審査内容>
・協議会の「書面審査」、第三者機関の
 「外部監査」、最終審査を経て認定
 1)書面審査 (計14項目)
  主なもの
  A)関連法令の規定を満たす
  B)品質保証体制やトレーサビリティ整備
  C)販売に対するガイドラインを満たす
   体制整備
  D)技術要件を満たしているか
 2)外部監査
 化学物質評価研究機構(CERI)が実施
  A)提出書類にもとづく製造工程・
   品質管理体制の実施などの監査
  B)技術試験:第三者機関が工場から
   製品を抜き取り3項目で試験
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