エールフランス航空、TGVなどとの競争激化で国内線を縮小・雇用削減

エールフランス航空、TGVなどとの競争激化で国内線を縮小・雇用削減

ニュース画像 1枚目:エールフランス イメージ
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エールフランス航空は2019年5月13日(月)、競争が激化する市場環境などを考慮し、国内線の縮小、雇用の削減を発表しました。2021年末までに、短距離線の有効座席キロ(ASK)を15%減らし、これに伴い最大465人のスタッフ削減を計画しています。

その背景として、過去5年間、フランスの高速鉄道「TGV」が国内に勢力を広げ、競争力のある低価格の商品を拡大し、国内セクターでエールフランス航空の主要ライバルとなっていることを1つの要因として挙げています。2016年、2017年に開設された新4路線は2020年までに470万人の利用が推定されており、2時間未満でパリとフランスの地方を結ぶ路線では、エールフランスは90%ものマーケットシェアを失っています。

格安航空会社(LCC)も近年、主要空港に拠点を設け、挑戦的な価格ポリシーと公的機関の支援を得て、その立場を強固なものにしつつあります。90%のスタッフがフランスを拠点とするエールフランス航空と異なり、LCCの大多数は地域の雇用に貢献せず、より低い労働コストで従業員を配置していると分析しています。

これらの課題に直面しながらも、エールフランス航空は様々なイニシアチブを実施し、フライトスケジュールや顧客体験、定時運航など利用者の期待に応えるべくサービスを改善し、国内シェア65%を保持してきました。しかし、いくつかの路線では、収益低下の防止や原価削減ができず、国内線での財政状況は大きく悪化しています。2017年に9,600万ユーロを計上した損失は、2018年に1億8,900万ユーロに拡大し、2013年からの累計損失は7億1,700万ユーロとなっています。

これらの状況を受け、エールフランス航空は2019年から2021年までの人事計画として、雇用要件を提示するとともに、短距離線の地上オペレーションにおける人員過剰を明らかにしています。2021年末までに、短距離線の有効座席キロ(ASK)を15%減らす計画です。

職員組合は国内線ネットワークにおいて最大465人分の配置で自発的な早期退職計画について通知を受け、近く関係者と協議します。なお、強制的な早期退職は実施されません。

エールフランス航空の発展のため、2019年にパイロットや乗務員、エンジニアなどをはじめとした多くのスタッフが入社を予定していますが、長期的な事業実現性を維持するため特定のセクターにおける活動についてバランスを取る責任もあると、説明しています。

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