北海道エアシステム(HAC)は、保有するサーブ340Bを2020年からATR42-600に順次更新します。この初号機を2019年11月にフランス・トゥールーズで受領し、鹿児島へフェリーする予定です。本拠地、丘珠空港への到着は2020年1月から2月ごろで、実機を公開すると共に就航地への訓練フライトを開始します。
初号機の機体記号(レジ)「JA11HC」は、特別塗装が施されます。HAC社員それぞれの北海道への思いを受け、北海道出身デザイナーの鈴木奈々瀬さんが大自然、豊かな海、美しい雪が舞い降る大地をイメージしました。機体の左右は異なるデザインで、左側は6つの就航地を雪の結晶で表現し、ワンポイントにキタキツネが隠れ、右側はシャケ、コンブ、ウニなどの北海道の特産品が描かれています。
北海道で初めて導入されるATRは、高い快適性と低燃費、低騒音の環境性能を兼ね備え、寒冷地での運航実績も考慮された最新鋭のターボプロップ機です。HACは北海道内での運航を中心に「道民の翼」として、引き続き安全運航と快適な移動空間を提供する方針です。
HACが受領するATRは、2020年3月29日(日)に運航を開始する計画です。当初は、丘珠発着の函館、釧路線を中心に、土、日、連休などは観光需要にも対応するスケジュール編成を計画しています。予約販売は、2019年9月10日(火) 9時30分に開始します。
ATRは、主翼が機体上部の窓の上に位置しており、すべての座席から外の風景を楽しめ、客室にはJAL国内線で使用されている「JAL SKY NEXT」仕様に準じた革張りシートを48席搭載します。さらにLED照明、ARMONIAデザインで明るく快適な空間が実現しており、手荷物収納棚は客席上部の両サイドに設置されています。
なお、「JA11HC」は2019年11月受領、2020年3月29日(日)に就航、「JA12HC」は2020年9月受領、2020年10月の就航を計画しています。HACは2018年7月、ATRと発注覚書を締結しており、当時の契約は確定2機、オプション1機です。また、2019年3月の航空局への機体記号の申請で航空会社は非公開であるものの、「JA13HC」も予約済みです。