バルトの雲海を飛ぶストラトフォートレス

バルトの雲海を飛ぶストラトフォートレス

ニュース画像 1枚目:B-52Hストラトフォートレス
© U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Duncan C. Bevan
B-52Hストラトフォートレス

バルト海上空でアメリカ空軍B-52Hストラトフォートレス2機が2019年10月23日(水)、訓練中を実施しました。B-52はヨーロッパに定期的に配備され、地域の安定に貢献しています。

B-52は、ジェットエンジンを8基搭載した爆撃機です。試作機のXB-52にはYJ57-P-3ターボジェットエンジンされ2機生産されました。実用試験機のYB-52にもYJ57-P-3搭載、1機が生産されました。

B-52Aは最初の量産型で水エタノール噴射機構を備えてパワーアップされたJ57-P-1Wを搭載、生産機数は3機でした。B-52Bは本格的な量産型で、当初はB-52Aと同じエンジンを搭載、後期型は水エタノールの流量が2倍に増やされたJ57-P-29W/WAになりました、生産機数は23機、RB-52BはB-52Bの偵察型で生産数は27機でした。

B-52Cは、B-52向けの火器管制システム(FCS)を搭載し35機生産されました。B-52Dは長距離爆撃に特化したタイプでベトナム戦争で実戦に初参加しました、170機が生産されました。B-52Eは新しい爆撃・航法システムを搭載し100機が生産されました。

B-52Fはエンジンを観ず噴射機構付のJ-57-P-43W/WA/WBを搭載、89機が生産されました。B-52Gは重量軽減を主眼に設計し垂直尾翼が小型化されました。1991年の湾岸戦争では巡航ミサイルを使用して参戦しています。生産機数はB-52最多の193機です。

B-52HはB-52の最終型で、エンジンがターボファンのTF33-P-3に換装しています。生産数は102機で、現在76機を保有しています。

B-52Hはこれまで何度も近代化改修を行い、エンジン換装の話が出ていましたが、予算の都合で実現しませんでした。現在、アメリカ空軍では「B-52J」という名称で近代化改修の話が進んでいます。アビオニクス更新やエンジン換装も行い、2040年代まで寿命延長を検討しています。予算の確保次第ではB-52Hで初めてのエンジン換装が行われ、状況により100年空を飛ぶ爆撃機になるかもしれません。

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