航空気象システムARVI、JAXAと航空機の被雷回避に向け共同研究

航空気象システムARVI、JAXAと航空機の被雷回避に向け共同研究

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システムの画面イメージ

エムティーアイは2019年12月10日(火)、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究する「被雷危険性予測技術」の実用化に向けた検証システムに開発した航空気象システム「ARVI」が採用され、共同研究すると発表しました。

研究の内容は被雷危険性予測情報の配信と、実用化に向けた評価です。共同研究の実施期間は2019年11月21日(木)から2022年3月31日(木)です。この研究は、全日空(ANA)の協力で、航空機被雷の回避に向け検証します。

雷は航空機の運航に大きく影響します。落雷による航空機への被害は、自然の雷よりも、航空機が帯電した雲に近づくことで誘発される雷がほとんどです。国内における被雷被害は年間数百件に上ると推定され、数十便が欠航、数百便に遅延が発生しています。

冬の日本海沿岸では、夏に発生する通常の雷に比べて放電エネルギーが何倍も大きい冬季雷と呼ばれる世界的にも珍しい現象が発生することから、この時期はより繊細な航空機の運航が余儀なくされます。

JAXAでは、過去の気象データ分析で導き出した「被雷危険性予測技術」で、航空機が近づいた際に誘雷を起こす雲を予測するアルゴリズムの実現性を確認、機体に被雷しそうな気象状態を事前に察知し、回避することで航空機の安全性を高め、機体の損傷の減少を図ることで運航の効率向上を目指します。

気象データ3D描画技術と航空気象における気象データ配信技術が評価され、「ARVI」が「被雷危険性予測技術」を実装するシステムに採用され、共同研究を開始します。「ARVI」は雨雲や雪、風、火山、台風など航空機の運航に影響を与える気象や災害情報とフライトプランを、ひとつの画面で確認できるシステムです。

期日: 2019/11/21 〜 2022/03/31
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