航空業界の債務、20年末までに5,500億ドル コロナによる打撃で

航空業界の債務、20年末までに5,500億ドル コロナによる打撃で

ニュース画像 1枚目:COVID-19 航空会社への政府財政支援の統計
© IATA
COVID-19 航空会社への政府財政支援の統計

国際航空運送協会(IATA)は2020年5月26日(火)、世界の航空業界の債務が2020年末までに5,500億ドルに達する見通しを発表しました。2020年初頭の債務水準から1,200億ドル増えており、新たな負債のうち、政府融資、繰延税金、ローン保証が670億ドル、商用ローン、資本市場からの借り入れなどが520億ドルとなっています。

各国政府が約束した財政支援は計1,230億ドルで、このうち670億ドルに返済義務があります。政府や民間への債務返済は、旅客需要が回復する期間より、さらに長くこの危機が続くことを意味します。金融支援は新型コロナウイルス(COVID-19)による危機的状況を乗り切る生命線であるものの、次の課題は援助が生み出す負債の下で、航空会社が沈没しないようにすることと、IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEOはコメントしています。

これを受け、IATAは特に支援を実施していない政府に対し、航空会社の自己資本比率の引き上げを支援する助成金や補助金の救済を行うよう促しています。

また、政府からの支援額は世界の航空会社の年間売上高に対して平均14%となっているものの、北米が25%、ヨーロッパが15%ですが、アジア太平洋地域は10%、ラテンアメリカでは0.8%、アフリカ・中東では1.1%と低い水準にあることも指摘されています。

アジア太平洋地域では、2019年の航空券売上高に対し、シンガポールが84.2%と非常に高い水準で支援を提供し、日本は次いで22.1%と世界の平均以上、韓国も11.6%となっています。しかし、オーストラリアでは1.8%、その他のインド、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアは0%から0.5%の低い水準となっています。

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