羽田航空基地所属機による西之島の噴火活動観測、6月は5月に比べ活発

羽田航空基地所属機による西之島の噴火活動観測、6月は5月に比べ活発

ニュース画像 1枚目:6/15午後撮影の西之島
© 海上保安庁
6/15午後撮影の西之島

海上保安庁は2020年6月16日(火)、羽田航空基地所属の航空機で実施した西之島の火山活動観測の状況を発表しました。

観測は6月15日(月)の午後に実施され、噴火活動は火砕丘の中央火口から連続した噴火が認められました。灰褐色から黒褐色の噴煙が激しく噴出し、最大高度はおよそ2,000メートルまで上がり、噴石の飛散は中央火口丘の麓で収まっています。

溶岩は、中央火口丘の北東側中腹から東岸にかけて海へ流入しており、溶岩流の先端から白色の水蒸気が認められました。また、東岸には茶褐色の変色水が確認されています。

海上保安庁は、今回の調査により、噴火による影響が及ぶおそれがあるため、半径1.4海里以内の周辺海域警戒の航行警報により、付近航行船舶に注意を呼びかけています。また、2月4日(火)に確認した西之島の南方約9キロメートルの変色水についても航行警報を発出し、付近航行船舶に注意を呼びかけています。

なお、東京工業大学理学院火山流体研究センターの野上健治教授によると、マグマの供給は衰えることなく継続し、6月7日(日)と比較して供給量が増えています。連続的に非爆発的噴火が発生し、大量の火山灰を放出していること、溶岩流出口の標高が比較的高いことから、マグマヘッドは相当浅いとみています。マグマの供給が継続する限りは、非爆発的噴火が続き、今後、爆発的噴火はマグマの供給が収束した頃に起こると考えられるものの、噴石を遠くに飛ばすことは考えにくいなどとコメントしています。

期日: 2020/06/15
メニューを開く