可能性を秘める、中国空軍の大型輸送機Y-20

可能性を秘める、中国空軍の大型輸送機Y-20

ニュース画像 1枚目:西安飛機工業が開発したY-20
© 中華人民共和国 国防部
西安飛機工業が開発したY-20

中国人民解放軍空軍(PLA)の大型輸送機Y-20が2020年2月、新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いに投入されて以降、パキスタンやタイなど海外への医療物資輸送で使われてきました。

6月24日(水)にロシアのモスクワ、赤の広場で行われた軍事パレード「大祖国戦争勝利75周年記念」へ参加する中国の陸海空三軍の儀仗隊を輸送するため、ロシアへ初めて飛行しました。

Y-20は、西安飛機工業公司が開発を手がけ、2013年1月26日(土)に初飛行しました。最大離陸重量220トン、最大積載量66トンでと、IL-76以上、C-17未満の輸送機です。エンジンはロシアのD-30KP-2を搭載していますが、将来は国産WS-20への換装を計画しています。派生型として空中給油機、洋上哨戒機も期待されています。

軍隊にとってロジスティクスは、戦争、PKOなどの国際貢献、災害などの人道支援など、人員や物資の輸送は欠かせない重要な任務です。戦闘機や戦車以上に大型輸送機は重要な存在と言うこともできます。アメリカ、ロシア、北大西洋条約機構(NATO)は独自の大型輸送機を開発しており、中国もこうした流れに加わりました。

アメリカ空軍(USAF)はC-17AグローブマスターⅢを223機導入しましたが、PLAはY-20を数百機は必要と述べています。国力と軍事力は比例し、さらに軍隊にとってロジスティクス能力はそれらを測る物差しともなりえます。歴史を見ればロジスティクスを疎かにする国が戦争に負けており、Y-20を何機導入するかは、今後の中国の方向性を測る重要な指標になります。

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