ディズニー映画「ファンタジア」公開80周年記念の特別塗装機「JAL DREAM EXPRESS FANTASIA 80」が2020年11月18日(水)、羽田発着の周遊チャーターフライトでデビューします。日本航空(JAL)は、ボーイング767-300ER型機、機体記号(レジ)「JA622J」に映画「ファンタジア」でミッキーマウスが演じた「魔法使いの弟子」役を描いた機体を国内線で2022年3月ごろまで運航します。特別塗装機「JAL DREAM EXPRESS」シリーズとしては、11機目です。
■機体デザイン
機体に描かれているデザインは、機体前方は左右対称ですが、後方は左右非対称となっており、両方を見る楽しみがあります。機体前方は、映画の一部からミッキーが水運びの仕事をサボるため、箒に魔法をかけて掃除を命じる様子が描かれています。
後方のデザインは、左側のポート・サイドが夜空の星や雲を指揮者のように自在に操つる様子、右側のスターボードサイドが魔法使いイェン・シッドの魔法の青い三角帽を操る様子が描かれています。機体全体にミッキーが羽織るローブのカラーを纏い、魔法にかけられた飛行機が大空へ羽ばたくデザインとなっています。
■国内線の定期便に投入
この機体は、チャーター便の運航後、国内線の定期便に投入されます。羽田空港を発着する新千歳、伊丹、福岡、那覇線に就航します。このスケジュールは就航前日にJALのスケジュールで確認できます。11月18日(水)の定期便は、羽田/福岡線のJAL331便として運航し、福岡にナイトステイする予定です。
■塗装機「JA622J」の来歴
ファンタジア特別塗装機は、ボーイングのエバレット工場で製造され、2009年4月に初飛行、同年5月にJALへ引き渡しされた12年目の機体です。主に国内線で使用されており、ファーストクラス5席、クラスJが42席、普通席205席の計252席を搭載しています。2016年には、特別塗装「ドラえもんジェット」として運航したことがあり、今回は2度目の特別塗装機として人気のキャラクターと共に全国を空から明るくします。
■特別塗装機「JAL DREAM EXPRESS」とは?
<JALドリームエクスプレス(初代) 塗装機>
JALとディズニーのコラボレーションは、1994年8月に登場した初代JALドリームエクスプレスに始まります。「JALドリームエクスプレス(初代)」の特別塗装機は、計5機で、ボーイング747-100型機の「JA8142」「JA8170」、ボーイング767-300型機の「JA8397」「JA8398」「JA8399」に描かれました。
ミッキーマウス、ミニーマウス、グーフィー、ヒューイ、デューイ、ルーイ、プルート、デイジーダック、ドナルドダックと、楽しげなディズニーのキャラクターたちが勢揃いし、機体後部にシンデレラ城も見えるデザインです。
この当時は鶴丸が描かれていた尾翼は、ミッキーマウスと「Disney on Tour」の文字が記され、まさにディズニーが文字どおり日本各地を旅する特別塗装として広く国内で親しまれました。
<JALドリームエクスプレス21 塗装機>
2代目のドリームエクスプレスは2001年1月、ウォルト・ディズニー生誕100周年、JALの50周年を祝う機体として登場しました。「JALドリームエクスプレス21」と呼ばれるシリーズで、「JA8083」がFAMILY号、「JA8084」がDream Story号、「JA8904」がSWEET号、「JA8908」がFRIENDS号として、いずれも747-400Dの国内線仕様の4機に特別塗装が施されました。
それぞれデザインが異なり、2001年5月に運航を開始したDream Story号は一般公募し、特別塗装機にデザインで参加できること、人気の高いディズニー塗装から、航空ファンだけでなく大人から子どもたちまで幅広く親しまれました。
「JA8083」のFAMILY号は、特別塗装機「JALドリームエクスプレス21」の3号機です。機体の基調色は青、家族をテーマに、バンビやピノキオ、ダンボなど家族愛をテーマにした作品が描かれています。胴体には「ウォルト・ディズニー生誕100周年の魔法(Walt Disney 100 year of Magic)」の文字と、機体後方には東京ディズニーランドのシンボルのシンデレラ城が描かれています。
「JA8084」のDream Story号は、特別塗装機「JALドリームエクスプレス21」の4号機です。「JALドリームエクスプレス21」で唯一、デザインを一般公募した機体で、黄色をベースにミッキーマウスなどのキャラクターが、空飛ぶ乗り物に乗っている様子が描かれています。
「JA8904」のSWEET号は特別塗装機「JALドリームエクスプレス21」の2号機です。恋愛をテーマとし、基調はピンクで、アラジンやシンデレラ、リトル・マーメイドなど、ディズニーのラブストーリー作品が描かれています。
「JA8908」のFRIENDS号は特別塗装機「JALドリームエクスプレス21」の1号機です。友情をテーマに基調色は白で、プルート、グーフィー、ドナルドダックなど、ディズニー作品に登場するキャラクターが描かれています。
この4機、全て垂直尾翼に「JAL 50th Anniversary」と記され、JALが1951年に初めて定期線に就航した機体、マーチン2-0-2と747-400のシルエットが描かれています。胴体には「ウォルト・ディズニー生誕100周年の魔法(Walt Disney 100 year of Magic)」の文字と、機体後方には東京ディズニーランドのシンボル、シンデレラ城が描かれています。
<JALドリームエクスプレス90 塗装機>
3代目の「JALドリームエクスプレス90」は、2018年にミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念した特別塗装機でした。767-300ERの「JA602J」に特別塗装が施され、ミッキーのみが描かれました。「Fun(楽しい)」「Optimistic(楽観的)」「Loyal(真心のこもった)」など、左右に計10種類の表情が描かれました。外装だけでなく、機内ではヘッドレストカバー、紙コップにも特別デザインのミッキーが施され、見て・乗って楽しむ特別塗装機になりました。この機体は、2020年2月末に特別塗装が終了しています。
<この紹介を疑問に思った人はかなり詳しい!!>
ここまで紹介したJALドリームエクスプレスで、少なからず疑問に思う方は、JALの特別塗装機、JALのディズニー特別塗装機に相当詳しい方のはずです。「JALドリームエクスプレス21」ではオリエンタルランドとタイアップした「JALドリームエクスプレス21 Tokyo DisneySEA」の2機を、JALでは区別しています。
国内線に就航し、東京ディズニーシー開園をモチーフに、海をイメージしたブルーが印象的なデザインの機体です。多くのキャラクターが登場する特別塗装機が多い中、ミッキーとミニーが機体前方、機体後方はディズニーシーのイメージのみとシンプルさが特徴です。
国際線に投入された機体で、東京ディズニーシー開園をモチーフに、海をイメージしたブルーが印象的なデザインの機体で、「JA8905」と同じデザインです。
この2機も含めると、ファンタジア80周年の特別塗装はJALドリームエクスプレスとして計13機目です。ディズニーのキャラクターたちが描かれた特別塗装機はこのほか、「JALハピネスエクスプレス」「JALハッピージャーニーエクスプレス」「JALセレブレーションエクスプレス」があります。これからも多くのディズニー特別塗装機は、航空ファン、ディズニー・ファンだけでなく多くの人たちを楽しませてくれることでしょう!