JAL、2021年3月期業績見通し下方修正 コロナ・入国制限厳しく

JAL、2021年3月期業績見通し下方修正 コロナ・入国制限厳しく

ニュース画像 1枚目:JALの787-8国内線仕様
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JALの787-8国内線仕様

日本航空(JAL)をはじめとするJALグループは2021年2月1日(月)、2021年3月期の第3四半期連結業績(2020年4月1日~2020年12月31日)を発表しました。売上収益は前年比68%減の3,565億円、税引前損失(EBIT)は2,941億円、四半期損失は2,127億円でした。

通期の見通しは、10月末の見通しを下方修正した新たな予想を発表し、売上収益が4,600億円、EBIT損失は4,200億円、純損失は3,000億円です。10月末は売上収益が5,300〜6,000億円、EBIT損失は3,300〜3,800億円、純損失は2,400〜2,700億円の予想でした。

下方修正は、新型コロナウイルス感染症再拡大の状況、世界各国の出入国制限などを反映しています。しかし、感染拡大、出入国制限の状況は変化する可能性があり、需要回復は極めて流動的です。売上収益の予想は2月1日現在の国際・国内線の予約状況から旅客収入を見積もりしたと注記しています。需要予想は10月時点より大きく下振れしており、厳しい状況が伺えます。

ニュース画像 1枚目:2021年3月までの需要推移、2020年10月と2021年2月時点のJAL予想
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2021年3月までの需要推移、2020年10月と2021年2月時点のJAL予想

なお、2021年3月末の手元現預金残高は約3,700億円を確保できると公表。自己資本比率は44.3%、数値が低いほど財務内容が安定していることを示す負債資本倍率(D/Eレシオ)は0.5倍の見込みとも公表しています。このため、厳しい状況にありながら、財務体質は健全に推移する見通しです。

JALは2020年11月に公募増資し、自己資本は1兆171億円となっています。営業キャッシュフローは、第1四半期のマイナス1,302億円に対し、第3四半期単独はマイナス299億円と、営業収入が少ない中、営業費用が上回る状況が続いているものの、経費削減の効果が現れ、マイナス幅が縮小しています。JALによると、航空券の払い戻しが落ち着き、赤字幅が縮小したと説明しています。

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