「グリーン洗浄」で気候変動の対策訴え グリーンピース活動家

「グリーン洗浄」で気候変動の対策訴え グリーンピース活動家

ニュース画像 1枚目:グリーン洗浄された「F-GSPB」 (yuuka no kazeさん撮影)
© FlyTeam yuuka no kazeさん
グリーン洗浄された「F-GSPB」 (yuuka no kazeさん撮影)

国際環境NGOグリーンピースの一部と見られる複数名が2021年3月5日(金)、パリ・シャルル・ド・ゴール空港の制限エリア内に侵入し、エールフランス航空の機体を「グリーン洗浄」しました。被害にあった機体は、ボーイング777-200ER型機の機体記号(レジ)「F-GSPB」です。

Twitterに投稿されているグリーンピース・フランスの動画では、白い胴体部分にホースで緑の塗装を撒き散らし、洗浄時に使用するモップとみられる器具でグリーンを機体全体に塗りたくっています。作業しているスタッフは、「GREENWASHING EN COURS (グリーン洗浄・進行中)」と背中に記されたつなぎを着用。さらに梯子を持ち込み主翼上にまで登った様子も写っています。


グリーンピース側は、パリ協定を履行するために航空輸送の削減が必要と主張し、今回の実力行使に至ったとみられます。特にフランス運輸大臣に対し、「気候変動を止めるのに十分ではない」とTwitterでも主張し、フランス議会で審議される法案の対策は的外れで、航空機を使う交通量を削減すべきと主張しています。

環境活動家のグレタ・トゥンベリさんがヨットで大西洋を横断し、「飛び恥」が世界に広まり、航空会社も積極的に環境対策として新機材の導入、鉄道利用の促進などに取り組んでいます。ただし、グリーンピースに言わせると、それらの対策は不十分で、フランス政府の対策も十分ではない模様です。



環境活動家の主張はどうあれ、シャルル・ド・ゴール空港は過去に航空機撮影に訪れたことがある方は分かる通り、撮影は禁止されています。周辺を散策しても警戒する警官が職務質問に来るなど、厳重な警備体制が敷かれています。その環境の中で梯子やモップなど持ち込み、制限エリア内に侵入できている様子を見ると、この事態を重く見て警備当局は今後、さらに厳重な警戒体制が敷かれそうです。コロナ後にパリで撮影を考えている場合、これまで以上に厳しい環境になっているかもしれません。

なお、「グリーン洗浄」された「F-GSPB」はコロナ禍の需要急減を受け、2020年3月中旬に運航ラインから外れ、シャルル・ド・ゴール空港に駐機されていた模様です。このため、運航には影響が無いと見られます。各種報道から主翼に梯子を乗せ、胴体の上部にまで登っている様子も見受けられ、各種設備の点検、グリーン塗装の清掃などを含め、元に戻すために時間と労力がかかりそうです。

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