ボーイングは2021年5月5日(水)、ボーイング737-800型貨物改修機の生産能力の向上策として、新たにコスタリカを拠点とするメンテナンス・修理・オーバーホール(MRO)事業者と新たなパートナーシップ提携を締結しました。貨物改修機は、「ボーイング・コンバーテッド・フレイター(BCF)」と呼ばれる、ボーイング製の旅客機をボーイングのノウハウを詰め込んで貨物専用機へ改修する製造元による監修を経た機体です。
新たな契約により、コオペラティヴァ・オートジェスティネリア・デ・サービシオ・エアロインダストリアル(COOPESA)が737-800BCF専用の改修ラインを2本、開設します。1本目は2022年初頭、2本目は2022年後半に開設します。ボーイングは、顧客からの需要増加に対応するため、今後20年間で1,500機の貨物機への改修が必要と予想しています。このうち1,080機が標準ボディでの貨物改修で、その30%近くが北米と南米の需要とみています。
こうした需要予測から、アメリカ大陸を中心に需要増に対応する技術的な専門知識、品質、改修作業のスピードに対応できるCOOPESAとの提携により、737-800BCFの需要に対応します。
ボーイングは現在、上海、広州、山東の3カ所で、737-800旅客機の貨物機へのBCF改修を進めています。今回のCOOPESAが加わることで、南米で初めてBCF改修を手がける企業が誕生します。
ボーイング・コンバーティッド・フレイター「BCF」は、旅客機から貨物機へ改修することで、機体寿命が延長され、貨物機として新たな役割を担います。改修作業は旅客機で取り付けられていた座席、ラバトリー、ギャレーなど全て取り除き、旅客機の床を補強して、コンテナやパレットを搭載して空輸できる耐性を強化します。また、使用する航空会社の要望に応じて、大型の貨物ドアを装備する場合もあります。改修作業の多くは、スタッフの手作業で行なわれています。