ロールス・ロイス、世界最大の屋内エンジン試験施設を稼働

ロールス・ロイス、世界最大の屋内エンジン試験施設を稼働

ニュース画像 1枚目:Testbed 80 稼働式典
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Testbed 80 稼働式典

ロールス・ロイスは2021年5月27日(木)、イギリス・ダービーに屋内施設として世界最大、かつ最もスマートなエンジン試験設備である「Testbed 80(テストベッド80)」を正式に稼働しました。建設期間はおよそ3年、投資額は9,000万ポンドでした。

テストベッド80は、イングランドのプロサッカー「プレミアリーグ」で使用するサッカー場より広い7,500平方メートルの空間を確保し、ロールス・ロイスの施設で最先端、かつ高性能で複雑な技術とシステムが導入され、設計、完成に至りました。

ニュース画像 1枚目:ダービーに設けられたエンジン試験設備、外観
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ダービーに設けられたエンジン試験設備、外観

新施設は大きさだけでなく、これまでにロールス・ロイスが使用してきた中で最も先進的な技術が採用された「スマート」な施設です。特に、2050年に温暖化ガス排出ゼロを世界の航空各社が掲げる中、それを実現するために環境に配慮したエンジン技術の向上に大きく貢献する施設でもあります。

この施設では、ガスタービンの効率を継続的に改善するため、エアバスA350型機に搭載されているトレントXWBや、ボーイング787型機に搭載されているトレント1000など、商用機に搭載されているエンジンをテストします。さらに、次世代エンジンのUltraFanは、初代Trentエンジンより効率性が25%向上する目標を掲げており、2022年に実証機の地上試験を開始する予定です。

ニュース画像 2枚目:すでにトレントXWBの試験稼働を実施
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すでにトレントXWBの試験稼働を実施

また、持続可能な航空燃料(SAF)の使用を促す試験を実施するため、SAFを含むさまざまな種類の燃料を最大14万リットル備蓄できるタンクを備えています。2022年には初めてSAF100%でUltraFanを稼働させる実験が予定されています。

さらに、将来のハイブリッドまたは全電気駆動の飛行システムをテストする設計が採用されており、持続可能な新技術の開拓に取り組みます。こうした環境面の取り組みは、イギリス全体で民間航空機の温暖化ガス排出ゼロを推進する「FlyZero」プロジェクトなどとも連携しています。

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