日本航空(JAL)で1991年11月から2010年10月まで18年にわたり、機体記号(レジ)「JA8086」として活躍したボーイング747-400型が貨物機として再び使用されます。この機体は世界最大の消防飛行機「スーパータンカー」として世界的にも有名でしたが、貨物機に戻る予定で日本へ再び飛来する可能性もあります。
この747-400はJALで旅客機として使われた後、貨物機へと改修され、エバーグリーン航空が2012年2月に導入。貨物機として運用されたもののエバーグリーン航空の運航停止に伴い、2013年からヴィクターヴィルで保管されていました。
再び役割を見出されたのは2016年で、世界最大の消防飛行機「スーパータンカー」として新たな役割が与えられました。このため貨物スペースに水、あるいは消火剤を搭載できるタンクを装備し、胴体下部に16インチのノズル4つを新たに取り付ける改修が施されました。約20,000ガロンの水、難燃剤、あるいは抑制剤を1種類または複数、搭載できました。
747-400をベースとした超大型エアタンカー(VLAT)は機体記号(レジ)「N744ST」として登録され、2017年から消防活動を開始。アメリカ各地だけでなく、イスラエル、チリに加え、ボリビアを拠点としたアマゾンの消防活動など、国際的にも活躍しました。一方で運用コストが高く、投資家からの資金援助が得られず、運航停止や企業売却を模索する中での機体売却となった模様です。
この機体を取得したのは、航空貨物輸送事業を手がけるナショナル・エアラインズです。Cargo Newsによると、消防飛行機として搭載された機器を取り外し、エバーグリーン時代に使用された貨物機の状態に戻す予定です。Flightrader24では、5月28日(金)にモーゼス・レイクからサンアントニオに移動しており、改修作業が実施されるとみられます。
ナショナル・エアラインズは日本にもアメリカ軍の基地を中心に運航しています。世界最大の消防機の役割は終えるものの、再び日本にも来る可能性があることは楽しみでもあります。