ANA、2022年3月期の通期見通し赤字に修正 需要回復遅れで

ANA、2022年3月期の通期見通し赤字に修正 需要回復遅れで

ニュース画像 1枚目:ANA イメージ (なはくほさん 2021年4月撮影)
© FlyTeam なはくほさん
ANA イメージ (なはくほさん 2021年4月撮影)

全日本空輸(ANA)、ピーチなどの親会社、ANAホールディングスは2021年10月29日(金)、2022年3月期第2四半期決算を発表しました。国際貨物は需要を確実に取り込み、過去最高の売上高を更新し好調を維持する一方、旅客事業は国内線が緊急事態宣言の影響で上期はほぼ移動制限、国際線は出入国制限が続き、需要の本格的な回復時期が遅れていることから、期初に発表した通期の黒字化予想を赤字見通しに修正しました。

通期見通しでは2期連続の赤字ですが、四半期ベースでは第1・2四半期は赤字、第3四半期に赤字解消・黒字も計上しないイーブンへ持っていき、第4四半期には黒字化する計画です。コスト削減として変動費は減便など需給調整で生産量を抑制、固定費のうち人件費は賃金制度の改革や生産性向上で増加を抑制、機材関連費は大型機の売却など費用を抑えており、その効果が徐々にあらわれています。

期初予想は、国際線が2,410億円、国内線が5,400億円、貨物が2,280億円、LCCが790億円と見ていました。修正した新たな見通しは、国際線が890億円、国内線が3,290億円、貨物が3,070億円、LCCが470億円です。国際線は、日本への入国が厳しい環境が続いており、国内線は4〜9月の影響で予想を下回る状況を挽回できない見通しです。また、10月以降は2020年にGo Toトラベル事業が実施された反動が出ることから、LCCを含め、旅客事業は期初予想を上回ることは厳しい状況です。ただし、いずれも前期より売り上げが大幅に回復します。貨物は、国際貨物の計画以上の増収になる見通しです。

■ANAホールディングス2022年3月期第2四半期決算
売上高:4,311億円
(航空事業:3,702億円)
営業損失:1,160億円
(航空事業営業損失:1,137億円)
経常損失:1,155億円
四半期純損失:988億円
<通期見通し>当初 -> 今回
売上高:1兆3800億円 -> 1兆600億円
営業利益:280億円 -> 赤字1,250億円
経常利益:50億円 -> 赤字1,400億円
純利益:35億円 ->  赤字1,000億円
<通期見通しの内容別見通し>当初 -> 今回 (前期比)
国際線 2,410億円 -> 890億円 (442億円増)
国内線 5,400億円 -> 3,290億円 (1,258円増)
貨物 2,280億円 -> 3,070億円 (1,201円増)
LCC 790億円 -> 470億円 (249円増)
この記事に関連するニュース
メニューを開く