航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」は40年前の1982年1月12日、2代目の機種として三菱重工が製造し、国産で初めて超音速「マッハ」を記録したT-2を導入しました。現在のブルーインパルスは3代目の機種で、川崎重工が製造したT-4を使用しています。このT-4は最大速度マッハ0.9で、超音速機ではありません。2代目は最大速度マッハ1.6と、現在のT-4よりスピードが速い機種が使用されていました。
T-2の採用は、当時の防衛庁が国産機の能力向上への取り組みと同時に、国産初の「マッハ」機を広くお披露目することも大きな目的の1つでした。T-2ブルーインパルスは1982年から1995年まで約13年にわたり、全国で航空ファンにとどまることなく、多くの人をアクロバット飛行、特に観客の目の前で展開するスピード感で魅了しました。
T-2を使用した13年間には、ブルーインパルスのパイロットによるサイン会も定着しました。広報活動の強化として、全国の航空祭で展示飛行だけでなく、パイロットが観客たちと触れ合うサイン会が開催され、現在に至る人気の企画となっています。
ブルーインパルスは2020年、2021年と2年連続で航空祭ではなく、記念イベントで展示飛行を披露しています。T-4は、T-2と違いマッハ超えのスピードは出ないものの、空自が長年披露しているアクロバット飛行の華麗さは変わりません。2022年は航空祭でパイロットたちと触れ合いながらのブルーインパルスの演技を楽しみにしたいですね。
■ブルーインパルス 使用機種
1代目:1960年〜1981年、ノースアメリカン/三菱F-86F
2代目:1982年〜1995年、三菱T-2
現在:1995年〜、川崎T-4