東京ベイ東急ホテルは2022年4月28日(木)から、日本航空(JAL)のボーイング777型のシート、窓・窓枠パネルを室内に設置したコンセプトルーム「ウイングルーム」の営業を開始します。JALは2021年10月から、航空機廃材を有効活用する取り組みを本格的に開始し、今回、退役機の部品を利用した客室が誕生しました。ゆっくり時間を過ごしてもらうため、JALスタッフが1つ1つの備品に思いを込めて完成させたホテル客室がお披露目されました。この「ウイングルーム」は、夏休みを含む8月分までの予約を受け付けています。5月は多くの日に予約が埋まっていますが、7〜8月は日にちを選んで予約できます。
客室内にはJAL国内線で活躍し、退役した777-300に搭載されていたエコノミーのシート、窓・窓枠パネルが設置され、まるで機内にいるかのような雰囲気です。エンジンブレードを使い「ウイングルーム」の部屋番号「1008」を記した台座、機内食を座席まで運んでいた本物のミールカートも設置されています。
シート下には機内で使われていたカーペットを再利用し、機内の演出にこだわっています。カーペットは、飛行機をかたどったものも設置され、JAL機内を再現しつつ、客室の広さを活用した遊び心が見受けられます。
機内には無い備品として、雲をイメージしたクッションがシートに置かれています。客室窓から見える空は、羽田へ着陸する航空機が見え、コロナ禍でも飛行機での旅気分を思う存分、楽しめます。
廃材を再活用した備品を客室に設置する際、JALエンジニアリングの整備士たちが業務で培った技術力を活かして加工。シート設置には、航空部品輸送の梱包に使用された廃材まで活用しています。窓・窓枠パネルは、機体胴体の構造部に接続されていますが、客室内で自立させるため部品輸送などに使う木箱を再利用し、安定して支えられるように設計、取り付けられました。
東京ベイ東急ホテルの岩本総支配人は、航空をテーマにした客室で東京ディズニーリゾートを訪れる目的だけでなく、航空ファンに訪れてもらい、コロナ禍でも新たな客層を獲得したいと意気込みを示しています。今後、利用者の意見を受けながら客室の増加や、サービス充実にも含みをもたせています。
JALは2021年10月、ライフベスト(救命胴衣)を活用したポーチ販売で、本格的に航空機廃材の活用を開始。羽田や三沢での廃材アートの展開、「整備のお仕事ガチャ」を販売しています。さまざまな廃材のうち、大型のものは活用できていないものが多く、家具への転用案について、社外の協力を得ながら検討が進められている段階です。今回の東京ベイ東急ホテルの企画を実現させたJALエンジニアリング・企画グループ主任の谷田貝さんは、航空機廃材について「広く活用していきたいので、期待していただきたい」とコメント。今後さまざまな航空グッズが登場する前に、客室内で飛行機での旅気分を楽しむだけでなく、部品に触れて満喫できます。