短距離離着陸できるATR-42-600Sへの改良機、初飛行 トキエア導入予定

短距離離着陸できるATR-42-600Sへの改良機、初飛行 トキエア導入予定

ニュース画像 1枚目:ATR 42-600Sの開発 本格的にはじまる
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ATR 42-600Sの開発 本格的にはじまる

ターボプロップ機メーカーのATRは2022年5月11日(水)、短距離離着陸用のATR-42-600Sに部分的に改修した機体で初めて飛行しました。ATR-42-600Sは、日本では新潟拠点に運航を開始する予定のトキエアが導入を計画しています。

飛行に使用された機体は、製造番号(MSN)「811」のATRの飛行試験機です。機体の一部が改修され、トゥールーズ・フランカザル空港を離陸し、2時間15分にわたる飛行が実施されました。

初飛行では、アップグレードした航空機システムのパフォーマンスを測定するテストが実施されました。今後、ATR-42-600Sの完成に向け、新世代のコンピューターの搭載、自動ブレーキ、スポイラー、離陸システムなど、新たな機能のテストが順次、実施されます。今回の飛行は第1段階の改修に対応する機能確認で、2022年中に終える予定です。

第2段階は、2022年末ごろに尾翼に新たな大型ラダーへ変更する改修が実施されます。この変更により、低速で機体制御が可能になり、ATR-42-600Sの最終構成への改修を完了します。認証作業は2023年から始まる予定です。

ATR42-600Sは、標準の飛行条件下において滑走路の長さ最短800メートルで乗客40名を乗せ、離着陸が可能な性能を持つ機種です。短距離離着陸性能を示す「STOL(Short Take-Off and Landing)」の頭文字を取り、機種名に付与されています。この改良型は、世界に500近くの空港に乗り入れ可能になります。トキエアもこの機種の導入で、890メートルの佐渡空港に定期便を復活させる計画です。

佐渡空港は、ボーイング737型クラスのジェット機受け入れの拡張計画と同時に、トキ・エアの誘致で2014年3月末に運休となった定期便の乗り入れ再開をめざしています。

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