統合幕僚監部は、2022年7月25日(月)午前から午後にかけて、中国の偵察/攻撃型無人機「TB001」が東シナ海方面から飛来し、宮古海峡を通過して太平洋に進出したと発表しました。太平洋では、先島諸島の南で旋回後、さらに台湾を南下していきました。この動きに対し、航空自衛隊・南西航空方面隊の戦闘機が緊急発進し、継続的に監視が行われました。太平洋まで無人機のみで進出する単独飛行が確認されたのは初で、これに伴う領空侵犯はありませんでした。
TB001は、2021年8月に東シナ海で航空自衛隊が初めて確認しました。この機体は、四川腾盾科技が開発した中国で最大規模の戦闘偵察用ドローンとされています。飛行能力は高度9,000メートル、最大航続距離は6,000キロメートル、時速300キロで35時間飛行できる性能と発表されています。東シナ海から太平洋へ進出した今回の航路は、特に航続距離の能力を日本、台湾に示したものでもあります。
四川腾盾科技は、TB001を消防、通信など用途の多角化に取り組んでいます。さらに、今回の機体は主翼にプロペラ型のエンジン2基搭載でしたが、胴体後方に3基目のエンジンを搭載した新仕様(TB-A)の開発も進められています。