アメリカ空軍KC-46A、空中給油任務で全世界へ展開可能に

アメリカ空軍KC-46A、空中給油任務で全世界へ展開可能に

ニュース画像 1枚目:F-15に給油するKC-46A
© U.S. Air Force photo by Master Sgt Michael Jackson
F-15に給油するKC-46A

アメリカ航空機動軍団(AMC)は2022年9月14日付で、KC-46Aペガサスの空中給油任務で全世界への展開を承認しました。アメリカ空軍はKC-46Aに給油上の問題があるため、通常の手続きではなく、能力獲得(ICR)宣言と呼ばれる暫定的な運用を採用しています。今回の承認ではB-2スピリットへの空中給油も可能になり、空軍・海軍・海兵隊の作戦機が展開する世界での空中給油任務に携わります。なお、残る対応が必要な機種は、A-10サンダーボルトIIのみです。

KC-46Aを導入した2021年7月時点では、アメリカ海軍のF/A-18のみ空中給油に対応する機種でした。給油の対象機種を段階的に増やし、同年10月にはアメリカ空軍のF-15イーグルに対応し、航空自衛隊にKC-46A初号機が引き渡しされています。その後も対応機種を拡大し、2022年5月にはアメリカ軍の航空機97%に対応しました。

ニュース画像 1枚目:KC-46A
© U.S. Air Force photo by Senior Airman Joseph Morales
KC-46A

通常の手続きの初期作戦能力(IOC)や完全作戦能力(FOC)の獲得宣言に至るまで、まだ時間がかかるとされています。導入当初から問題とされている、A-10サンダーボルトIIに対応する空中給油ブームの作動、空中給油用カメラが太陽との位置関係で不鮮明になることなど、厳しい軍の基準を満たす改善が続けられます。

アメリカ空軍は2022年9月現在、KC-46Aを62機受領しています。なお、航空自衛隊も、すでに2機を導入しており、自衛隊の保有機種への空中給油には支障ありません。

■アメリカ空軍KC-46A 給油可能な対象機種
(1) 2021/7/9:センターライン・ドローグ・システム(CDS)の承認、F/A-18
(2) 2021/8/5:B-52ストラトフォートレス、C-17グローブマスターIII、受油機KC-46へブーム使用の給油
(3) 2021/10/13:F-15イーグル、F-16ファイティング・ファルコン
(4) 2021/12/6:AC-130Jゴーストライダー、HC-130JコンバットキングII、MC-130JコマンドII、C-5Mスーパーギャラクシー、E-3G
(5) 2022/2/22:F-35AライトニングII、F-22ラプター、人員輸送・救難機
(6) 2022/6/1:B-1Bランサー、E-8 J-STARS、EC-130Hコンパスコール、F-35B/CライトニングII、KC-10エクステンダー、P-8ポセイドン
(7) 2022/9/14:B-2スピリット

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