運輸安全委員会は2014年1月31日、鹿児島県の薩摩硫黄島飛行場で2012年11月25日にFA-200-180、機体番号(レジ)「JA3689」が滑走路を横転した重大インシデントの報告書を発表、富士重工業へ勧告しました。
これは2012年11月25日、鹿児島県の薩摩硫黄島飛行場で「JA3689」が着陸、ブレーキをかけた際、機体が右に旋回し、滑走路東側の草地に逸脱、横転したもの。横転は着陸後、左ブレーキが効かなくなり、機長が意図して右ブレーキを強く踏んだために発生したもの。
この左ブレーキが効かなくなった理由は、ブレーキ系統の左マスターシリンダーのOリングが摩耗。マスターシリンダー内の密閉性を保てず、ブレーキ作動油圧をブレーキライニングに十分に伝えることができなくなったためとしています。このOリングの摩耗は、経年劣化によるもの。
運輸安全委員会はこれを受けて富士重工に対し、勧告を行いました。FA-200系列型機のブレーキ系統にあるマスターシリンダーのOリングは、1,000時間点検でマスターシリンダーの分解し、Oリングの目視点検を行っています。その際、不具合がある場合に交換するとしていますが、運輸安全委員会は分解した際にOリングを必ず交換すること、Oリングの使用可能期間の設定を検討することを勧告しました。