電子航法研究所、新石垣空港でGAST-Dの飛行実験を実施へ

電子航法研究所、新石垣空港でGAST-Dの飛行実験を実施へ

電子航法研究所(ENRI)は2014年3月21日から3月30日まで、新石垣空港で将来型着陸誘導型システム(GAST-D)飛行実験を行います。

GPS衛星と地上からの補強信号を利用し、航空機を空港に誘導するGBAS(ジーバス Ground-Based Augmentation System)について電子航法研究所では研究を行っており、厳しい気象条件でも航空機を誘導できるカテゴリーIII GBAS(GAST-D:GBAS Approach Service Type D)研究用装置を開発し、新石垣空港に設置したもの。この評価実験を行うものです。

飛行実験を通じて、空港の実環境で設備を運転し、安全設計について四季を通じた長期データ収集による検証、GAST-Dを装備した電子航法研究所のビーチクラフトキングエアを使い、評価装置による着陸性能を検証します。特に、プラズマバブルと呼ばれる電離圏現象の発生下での実証実験を行います。

なお、飛行実験は電流圏の乱れという自然現象を対象としているため、飛行日は不確定な要素があるとしています。

■GAST-Dとは?

GAST-Dは計器着陸装置(ILS)に替わるもので、電子航法研究所はカテゴリーIの気象条件まで誘導可能な研究用GAST-C装置を開発、さらに厳しい条件でも着陸できるGAST-Dを開発しています。

欧米ではGAST-Dを磁気中高緯度地域で、装置評価を進めていますが、磁気低緯度地域にあたる新石垣空港で実験し、国際基準策定活動では唯一のものとなります。春、秋の夜間に発生が見られるプラズマバブルの電流圏の乱れの影響対象、誘導電波の使用可能範囲を検証します。

■カテゴリーとは?

国際民間航空機関(ICAO)が定めている航空機の性能、パイロットの資格、航法システムの性能により、着陸時の進入を決めています。カテゴリーはI、II、IIIがあり、カテゴリーIIIはもっとも精度の高い着陸誘導です。

さらに、カテゴリーIIIはa、b、cに細分化され、カテゴリーIIIaは決心高30メートル未満、滑走路視程距離175メートル以上の状況で進入、着陸が可能ですが、カテゴリーIIIcはどの状況でも進入、着陸ができます。

期日: 2014/03/21 〜 2014/03/30
メニューを開く