アメリカ航空宇宙局(NASA)は2014年6月17日、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地(AFB)内のアームストロング・リサーチ・センターで、F/A-18を使用し、弱いソニックブームを生成する実験を行ったと発表しました。
波形とソニック・ブームの認知・反応(WSPR : Waveforms and Sonic boom Perception and Response)実験は、エドワーズAFBに居住する100人以上のボランティアの協力を得てデータ収集が行われました。これらのNASAの実験により、弱いソニックブームの定義がなされ、近い将来に超音速旅客輸送が実現するかもしれません。
ソニックブームは超音速で飛行する航空機が生む衝撃波による大音響で、これによりコンコルドの超音速飛行は陸地上空で許されず、超音速旅客輸送の普及を妨げた理由とされます。
NASAはアメリカ連邦航空局(FAA)や国際航空宇宙業界、国際民間航空機関などと連携し、現在の陸上での超音速飛行規制を見直すためのデータを収集しています。エドワーズAFBの住民はソニックブームに慣れているため、ソニックブームを知らない人々の反応も収集したいとしています。
また、日本やフランスからの参加者を交えて、ソニックブームを低減する機体形状の検討も行われ、風洞実験も行われています。現在テストされているのは、針のように尖った機首と洗練された胴体、デルタ翼か強い後退角の後退翼のものです。