大韓航空007便撃墜を指揮した元ソビエト空軍司令官が死亡

大韓航空007便撃墜を指揮した元ソビエト空軍司令官が死亡

1983年9月1日にニューヨーク発アンカレジ経由ソウル行きの大韓航空、KE007便の747-200、機体記号(レジ)「HL7442」を撃墜し、乗客乗員269人を死亡させた事件を指揮したソビエト空軍の元司令官アナトリー・コルヌコフ氏が、2014年7月1日に72歳で死亡しました。ニューヨーク・タイムズが報じています。

大韓航空機撃墜事件は、大韓航空機がソビエトのカムチャツカ半島を横切るなど領空侵犯し、ソビエト空軍のスホーイSu-15がミサイルで撃墜した事件です。冷戦期で敵対陣営の機体とはいえ、大勢の民間人が乗った旅客機を撃墜し死亡させた事件とあって世界に衝撃を与えました。

ソビエト空軍は大韓航空機をアメリカのスパイ機と判断し、当時サハリン地区の防空を指揮していたコルヌコフ氏がSu-15のパイロットに撃墜を指示しました。その後、コルヌコフ氏は、1998年にエリツィン大統領からロシア空軍司令官に任命され再び注目を集めました。

1998年に行われたロシアのテレビのインタビューで、事件の感想を求められた際にコヌルコフ氏は「嫌な思い出で傷跡を残し、白髪を増やした」そして「私は常に正しい命令を下したと確信している。時として戦略的な作戦では軍隊を守るため大勢を犠牲にしなければならない」と話しました。

大韓航空機が空路を逸脱しソビエト領空に入り込んだ原因は、慣性航法装置(INS)の操作ミスと見られています。

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