ボーイングは2014年7月10日、機内座席上部の収納スペースを拡大した新たな「スペース・ビン(Space Bins)」の導入を発表しました。アラスカ航空がローンチカスタマーとなり、2015年後半に同社のボーイング・スカイインテリア採用する737-900ERに装備されます。
「スペース・ビン」を採用する初号機となるアラスカ航空の737-900ERには174個の機内手荷物を収納でき、現在の収納スペースの117個と比べると48%増となります。「スペース・ビン」の最大の特徴は、ギターなどスーツケースなど標準的な手荷物でない場合でも奥行きがあるため、収納が可能になります。
さらに、開放時は現在の「ピボット・ビン(pivot bins)」の位置と比べ、高さが2インチ、およそ5センチ超、下がることとなり、荷物の収納が手の届きやすい場所になり、楽になります。これにより、アラスカ航空では航空機の搭乗時の混雑緩和にもつながると期待しています。客室乗務員もこの装備の「スペース・ビン」の方が扱いやすいとしています。
この「スペース・ビン」は737NG、737 MAXにオプションとして採用できる装備です。現在の「ピボット・ビン」の1個あたり4個の荷物を収納できますが、「スペース・ビン」は2個増え、6個を収納できます。ちなみに標準サイズの荷物は23センチ、36センチ、56センチサイズを指しています。
ボーイングでは人気のボーイング・スカイインテリア装備機で、この装備をオプションとして選択できるようにします。ボーイングは737が世界で選ばれ続ける理由は、今回の「スペース・ビン」のように顧客の要望に寄り添った改良が継続的に続けられているからだ、としています。
ちなみに737-900シリーズでは1998年に登場した標準は77個、2002年にビッグビン(BigBins)が登場し125個となり、2010年にピボット・ビンで132個となり、2015年のスペース・ビンでは194個となり、初代から比べ2.5倍に拡大しています。