ロッキード・マーティンは、2014年10月30日、オライオン宇宙船の最終組み立てと試験が完了したと発表しました。オライオン宇宙船は12月4日に、フロリダ州のケネディ宇宙センターから、デルタIVロケットで1回目の無人審査飛行試験(EFT-1)に打ち上げられます。
オライオン宇宙船は、NASAがスペースシャトル計画の次に取り組んでいる有人宇宙船で、シャトルと違いロケットで打ち上げられ、海上にパラシュートで着水する1回限りの宇宙船です。アポロ宇宙船の現代版とも言えますが、乗員が1人増えて4人乗りとなっています。
オライオン宇宙船のシェルは2年前にケネディ宇宙センターに搬入され、最終組み立てでは乗員モジュールを打ち上げ時の音響と振動などから保護するパネルが取り付けられ、デルタIVロケットへの搭載準備が整いました。
EFT-1では、国際宇宙ステーションより15倍高い、地球から3,600マイル(約5800キロ)を飛行します。そして時速約2万マイル(3万2190キロ)で地球へ帰還し、太平洋に着水する予定です。EFT-1では宇宙船の遮熱性能や分離機能、アビオニクスやソフトウェアの性能、姿勢制御や誘導、パラシュートの展開、回収作業などすべてがチェックされ、有人飛行へと進みます。