福岡空港はアジアとの国際線、北九州は貨物とLCCのマルチエアポート構想

福岡空港はアジアとの国際線、北九州は貨物とLCCのマルチエアポート構想

福岡県は2014年11月、「福岡県の空港の将来構想」を策定しました。福岡空港と北九州空港を連携させるとともに、役割分担を行い、2空港の相互補完により、旅客便、貨物便を誘致し、航空機産業をはじめ先端成長産業の取り込みや中小企業の支援、観光振興を進めるとしています。

福岡空港は未就航のマレーシア、インドネシア路線の誘致、インド、アメリカ、オーストラリア路線の開設を目指し、この国際線発着枠を優先的に配分するよう国に要請します。さらに、発着枠を超える便数の展開は、特に格安航空会社(LCC)向けに北九州空港への就航を誘致します。北九州空港は福岡空港のように発着時間の制限が無い24時間空港であることから、福岡都市圏と北九州空港を結ぶリムジンバスの導入もあわせて2空港を活用した路線誘致を進めます。

福岡空港では平行誘導路の二重化、旅客ターミナルビルの改修、整備が進められていますが、増加するニーズに対応するため、ヘリコプターの発着枠を有効活用し、空港場外移設を目指すとしています。平行滑走路の増設は環境アセスメントの手続きまで進んでおり、この構想では工事の早期着手と完成により18.8万回の発着枠の確保をめざすとしています。

一方、北九州空港は羽田/北九州線の1路線のみですが、24時間空港であることから就航先に利便性の良い時間帯を選ぶことができることなどをLCCや貨物便を運航する航空会社に向けて説明、誘致する方針です。あわせて70分程度で福岡都心と結ぶリムジンバスの導入、九州の温泉、火山、名所・旧跡を連携させた新たな観光ルートの開発が欠かせないとしています。

また、貨物便の誘致では、2009年にアントノフ飛来、2013年に人口衛星の輸送目的のC-5ギャラクシーの飛来など、海上輸送との組み合わせなども活かした特殊貨物をはじめ、生鮮食品、製造業の貨物など、貨物利用の運送事業社への働きかけを行うとしています。

北九州空港 An-124 Ruslan 航空フォト一覧

北九州空港 C-5 Galaxy 航空フォト一覧

期待されるのは三菱重工、三菱航空機が開発しているMRJの量産機の試験飛行、駐機のサブ拠点になったことから、関連する航空機産業への輸送事業など、西日本地域の産業振興への寄与も期待されています。こうしたことを受け、747-8Fに対応する貨物用エプロンの整備、大型貨物に対応できる3,000メートル滑走路への延伸を国に要望します。

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