ヒースロー空港3本目の滑走路決定は先送り ガトウィックは強力に巻き返し

ヒースロー空港3本目の滑走路決定は先送り ガトウィックは強力に巻き返し

ニュース画像 1枚目:ロンドン・ヒースロー空港の3本目滑走路案
© Heathrow Airport Limited
ロンドン・ヒースロー空港の3本目滑走路案

イギリス運輸省は2015年12月10日、イギリス南東部、特にロンドンの空港拡張問題で、2016年半ば以降に判断を先送りすると発表しました。引き続き環境の影響を調査し、地元の同意を得る必要があるとしています。

イギリス政府は2年半にわたり2000万ポンド、約36億7000万円超の調査を実施しており、エアポート・コミッションは2015年7月に最終報告書でヒースロー空港に3本目の滑走路を設けることが最も適当だとしていました。

これを受け、ヒースロー空港は、最終報告書の通り経済効果が高く、決められた環境基準の中で新しい滑走路ができると、改めてコメントを発表しています。イギリスの航空会社代表者協議会(BAR UK)は、国際線を就航する航空会社は失望しているとし、十分な時間と予算をかけて検討したものの、ヒースローの拡張が不確実である場合は各社ともに投資に及び腰になるとしています。

一方、ガトウィック空港は、ヒースローの拡張と比べ、コストが安く環境負荷も少ないとして、同空港での拡張をアピールしており、政府が決定を先送りしたことを歓迎しています。ガトウィック空港は、ヒースローでの拡張案と対比するPRパンフレットも改めて提示しています。

一時はヒースロー空港で3本目の滑走路建設で決まったかに見えたロンドンの空港拡張問題ですが、最終決定までにはまだ紆余曲折がありそうです。

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