イギリスのエアポート・コミッションは2015年7月1日、空港容量の拡大を目指した最終報告書をとりまとめ、政府に勧告し、その内容を公開しました。この委員会は2012年に設置され、特にロンドンの空港容量の拡大を検討しており、提案ではヒースロー空港に3本目の滑走路を、現在運用する2本の滑走路の北西に設けることを提案しています。この新滑走路により、2050年までに新たな目的地として約40地点、70,000人以上の新規雇用を創出するとしています。
ヒースロー空港で設ける滑走路は、低コストで最大の経済的な利益をもたらしますが、すでにある住宅の移転などが必要です。ただし、この移転問題を解決すると、騒音、環境の観点から最も魅力のあるプランと判断しました。
一方で、ガトウィック空港の新滑走路は、新たに加わる離発着がヨーロッパ域内の短距離路線で、経済的利益もヒースローと比べ小さく、トラフィックがいっそう集中するとしています。
なお、ヒースロー空港に3本目の滑走路の開設でも23時30分から6時までのカーフューは設けられるほか、イギリス政府は4本目の滑走路を拡張しないよう議会などで確固たるコミットメントを行うべきとしています。このほか、空港周辺の環境を維持、保護、あるいは保証するための取り決めが必要だとも報告書で記載されています。