3月1日にラストフライト ボーイング727プロトタイプ

3月1日にラストフライト ボーイング727プロトタイプ

ニュース画像 1枚目:往時のユナイテッド・カラー「フレンドシップ・リバリー」の727-022「N7001U」
© The Museum of Flight
往時のユナイテッド・カラー「フレンドシップ・リバリー」の727-022「N7001U」

アメリカ・ワシントン州シアトルのミュージアム・オブ・フライトは、ボーイング727-022プロトタイプ「N7001U」のラストフライトを、2016年3月1日に実施するとし、公式サイトでカウントダウンを開始しました。ラストフライトはエバレットのペインフィールドからシアトルのボーイングフィールドまでで、天気次第では延期の可能性があります。

N7001Uは、1963年2月9日に初飛行した727の初号機で、飛行試験が終わった1964年10月6日にユナイテッド航空へ引き渡され、27年間にわたり6万4,495時間飛行し、4万8,060回の着陸を行いました。およそ300万人の乗客を輸送し、ユナイテッド航空は440万ドルの飛行機で3億ドル以上を稼いだことになります。

1984年に当時のミュージアム・オブ・フライト会長が、ユナイテッド航空へ退役後の譲渡を申し入れて合意し、1988年1月23日に退役を前に博物館の公式行事に展示されました。1991年1月13日にはオリジナルのユナイテッド・カラーに再塗装された機体がサンフランシスコからシアトルに空輸され、ボーイングフィールドの博物館で寄贈式典を開催し、ペインフィールドにある博物館の修復センターへ空輸されました。

ユナイテッド航空は、他の727に使用するため多くの主要部品を取り外したため、しばらくは部品集めが主な作業になり、2機以上の727が部品取りに使われました。部品取りには2004年3月6日にフェデラル・エクスプレスから寄贈された727-100、2005年9月にクレイ・レイシー氏から寄贈された727-200などが使用されました。

修復が始められてから25年にわたり、数十人の愛好家やボーイングのエンジニアがボランティアとして活動しました。また、部品取りに727-100を提供したフェデラル・エクスプレスは長年にわたる修復パートナーで、ラストフライトに使用するエンジンも同社が寄贈しています。

こうして飛行可能な状態に修復されたN7001Uは、エバレットのペインフィールドからシアトルのボーイングフィールドにラストフライトし、ミュージアム・オブ・フライトで747-121初号機の「N7470」シティ・オブ・エバレット、737-130初号機の「NASA515」などと並べて展示されます。

727は707の次に開発されたボーイングのジェットエアライナーで、ターボプロップ機が主流になると思われていた中距離路線を一気にジェット化し、1,832機が生産されました。ボーイング唯一のリアエンジン方式の3発機で、垂直尾翼上部にT字配置の水平尾翼を備えています。主翼には強力な3重隙間フラップが装備され、短い滑走路のローカル空港での運用を可能にしました。日本でも全日空と日本航空、日本国内航空の3社が導入しました。

727のラストフライトは、ボーイングの100周年を記念するミュージアム・オブ・フライトにおける企画のキック・オフ・イベントとなります。

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