カンタス、アジア拠点の航空会社設立は白紙?-マレーシア航空と提携へ

カンタス、アジア拠点の航空会社設立は白紙?-マレーシア航空と提携へ

カンタス航空が発表していたアジアでの新たな航空会社の設立は見送られる公算です。オーストラリア「The Australian Financial Review」が伝えています。ロイターなどは、これは決定事項ではないとカンタス側の発表を伝えています。

Financial Reviewの記事では、経済環境の悪化で新会社を立ち上げるより、マレーシア航空と提携、共同事業を進め、リスクを最小限にして現況に対応する考え。マレーシア航空と合意できれば、シンガポールでの新会社設立は見送ります。

カンタスはロンドン線などシンガポールに重点を置いた路線政策を変更、クアラルンプールに重点を移す考えもあるよう。いずれにしろ、路線では中国、インドへの展開が重視されています。

さらに、マレーシア航空は最近、エアアジアと提携しています。カンタスとマレーシア航空の提携話は現在のところ2社のみを対象とした話で、共同で路線事業を進める話。ただ、記事ではトニー・フェルナンデスCEOとカンタスのジョイスCEOが会ったこと、将来的にはジェットスターとエアアジアの提携に及ぶ可能性も伝えています。

この提携話はカンタス航空の労働組合が激しく抵抗するアジアでの航空会社の設立が白紙に戻り、オーストラリア国内での問題は落ち着くことが想定されます。ただ、厳しい環境への解決にはなっていません。

カンタスグループが発表している2011年10月末現在の旅客数は、カンタスの国内線、国際線は前年比減。一方、ジェットスターは国際線の旅客数が10%増、ジェットスターアジアが8%増、ジェットスターの豪国内線が14.2%増となり、LCC部門がカンタスの屋台骨になっています。

カンタスとマレーシアの提携はクアラルンプールから中国、インドへの路線を展開するだけでなく、シンガポールからマレーシアにアジアのハブ空港が移ること、LCCの提携話と今後のアジアの航空会社の地図にも影響を与える大きな話題になりそうです。

振り返って、ジェットスターとエアアジアがもし提携した場合、日本でのジェットスターとエアアジアはどうなるのか?おそらく、現状の計画が着々と進み、2社が就航するでしょう。まだ飛ぶ前の段階から「日本にも『提携』が及ぶ?」などと勘ぐりたくなってしまう話題でもあります。

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