IHIと三菱電機の放電表面処理技術「MSCoating」、GE90エンジンに適用

IHIと三菱電機の放電表面処理技術「MSCoating」、GE90エンジンに適用

IHIは2016年4月21日(木)、同社と三菱電機が共同で開発した放電表面処理技術「MSCoating (マイクロ・スパーク・コーティング:MSC)」がボーイング777向けGE90エンジン部品に適用されたと発表しました。IHIは2015年2月、GEとライセンス契約を締結し、このほどGEがMSCを用いた修理を開始しました。さらに、イタリアのAvio Aeroと受託加工契約も締結しています。

MSCは、金属部品表面に適用できる放電加工による皮膜生成技術で、安定的に耐摩耗性・耐熱性に優れた高品質で強度、耐熱、防錆などの機能を持たせる機能性皮膜を形成できます。IHIでは、GE、Avioとの契約で、777向けGE90エンジン部品のうち、Avioが手がける低圧タービン6段ブレードにMSCが適用され、ブレードの耐摩耗性が大幅に改善されるとしています。

IHIはGEに対して治具・コーティング用部材の納入とあわせ、技術指導を実施しています。三菱電機は専用放電表面処理機をGEへ納入し、アメリカ・テキサス州のGE工場で、MSCを用いた修理が始まっています。さらに、IHIの相馬第一工場ではMSCの受託加工を開始しています。

なお、IHIは、他の航空エンジン部品にもMSCが適用されるよう事業を展開するほか、航空分野だけでなくガスタービン、自動車など様々な分野での利用を促進する方針です。

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