ボーイングとエンブラエルは2018年7月5日(木)、戦略的パートナーシップに関する覚書を締結したと発表しました。ボーイングとエンブラエルで合弁会社を設立し、エンブラエルの手がける民間機とサービス事業は、ボーイングの民間機開発、製造、マーケティング、ライフサイクル・サービス業務と、戦略的に提携します。
新たな合弁会社は、エンブラエルが手がける民間機のEジェット、最新のEジェットE2についてボーイングの設計、製造、民間旅客機のサポートまで包括的、かつ中核的な拠点の一角を担い、ボーイングの広範囲な生産とサプライチェーンに完全に統合されます。これにより、ボーイングと合弁会社は、70席から450席以上までの民間旅客機と貨物機の包括的な航空機ポートフォリオを提供します。
合弁会社の株式はボーイングが80%、エンブラエルが20%を保有します。エンブラエルの民間機事業を47億5,000万ドルと評価し、ボーイングが保有する合弁会社の持ち株80%は38億ドルとなる見込みです。提携により、ボーイングの1株当たり利益は2020年から増加し、年間の税引き前費用では3年目までに約1億5,000万ドルのシナジー効果を想定しています。
ボーイングとエンブラエルによる上記の新合弁会社は防衛部門を対象外としていますが、防衛関連で別途、製品やサービス分野に対応する合弁会社を設立します。特に、多用途任務に対応するエンブラエルが開発中のKC-390を含む防衛装備品、サービスの適用促進と新規市場の開拓に取り組みます。
今後数カ月間にわたり、戦略的パートナーシップの財務とオペレーション両面の詳細を詰め、正式契約に向けて交渉が継続されます。契約履行には、株主とブラジル政府を含む規制当局からの承認が必要で、順調に承認を得られた場合、2019年末までに取引は成立する見込みです。