川崎重工、航空機研究開発用の「新低速風洞」 3月28日に竣工

川崎重工、航空機研究開発用の「新低速風洞」 3月28日に竣工

ニュース画像 1枚目:新低速風洞全景
© 川崎重工
新低速風洞全景

川崎重工は2019年3月28日(木)、同社の岐阜工場に航空機研究開発用の新たな低速風洞を建設、竣工したと発表しました。既存の低速風洞が老朽化し、新低速風洞に更新されたもので、川崎重工が設計・製作・建設を実施しています。

風洞は人口的に作り出した気流の中に縮尺模型を入れ、模型にかかる空気力などを計測する設備です。航空機の研究開発には、低速飛行時や離着陸時の性能を評価する低速風洞と、高速飛行時の性能を評価する高速風洞が用いられており、既存の低速風洞は川崎重工が開発した三式戦闘機「飛燕」や、BK117ヘリコプター、T-4中等練習機、P-1固定翼哨戒機、C-2輸送機などの機体開発に使用されていました。

新低速風洞は、全長90メートル、幅50メートル、測定部は幅30メートル、高さ30メートルで、既存の低速風洞より大きな施設です。このため、大きな縮尺模型を使用できるほか、最大風速も向上し、実際の航空機の離着陸速度に近い風速を実現しています。

また、風洞自体から発生する音を低減し、縮尺模型から発生する風切音が計測可能となっています。これにより、航空機の機体各部やヘリコプターのローターなどから発生する空力騒音の低減にも寄与できるとしています。

川崎重工は新低速風洞の活用で、最新鋭の航空機の研究開発を推進していく方針です。

期日: 2019/03/28から
メニューを開く