大阪航空局、ダイヤモンド・エア・サービスに業務改善勧告 整備不適切で

大阪航空局、ダイヤモンド・エア・サービスに業務改善勧告 整備不適切で

大阪航空局は2019年5月24日(金)、ダイヤモンド・エア・サービスに業務改善勧告を発出しました。航空運送事業に使用する機材の整備業務が整備規程に基づかず、技術資料の維持管理にも不備がみられ、再発防止策を講じる安全管理システムが十分に機能せず、安全推進、整備体制が不十分と判断されました。航空局は2019年6月24日(月)まで、講じた施策について文書での報告を求めています。

航空局は2018年12月6日(木)から12月7日(金)まで、ダイヤモンド・エア・サービスに立入検査を実施し、同社が運航する航空機が整備規程に基づかない不適切な整備業務を認め、同年12月13日(木)付で類似事例の確認を指示しました。これを受け、同社から他にも不適切な事実が確認されたとの報告を受け、2019年2月13日(水)からから2月15日(金)まで、立入検査と報告徴収が実施されました。

検査などで判明した不適切事案は、ビーチクラフト200Tの機体記号(レジ)「JA8824」の非常脱出口標識、主脚の装備品、プロペラ、発動機の燃料噴射系統、発動機の点火栓などの整備項目で整備マニュアルや技術資料が適切に維持管理されず、整備要目表や作業手順書に適切な整備項目も反映されず、航空事業に使用されていました。

ビーチクラフト200の「JA20DA」、MU-300の「JA30DA」、G-1159の「JA8431」でも製造事業者が定めた整備マニュアル、事業者から提供された技術資料、追加型式証明(STC)や修理改造検査時に定められた技術資料が適切に維持管理されず、航空事業に使用されていました。「JA8431」では、空調システムの部品の洗浄作業で、製造者が定めた整備マニュアルに指定された洗浄剤を使わず整備が実施されていました。

航空運送事業機の主脚の装備品、プロペラや発動機の関連部品で不適切な整備と管理により、安全性を確保するための強度、構造、性能の基準に適合せず、技術資料の維持管理が規程に従わない業務遂行の体制、整備規程や整備基準が適切に改訂されず、作業手順書の不備が責任者へ報告されていたものの適切な対応が図られていない状況でした。

航空局は、(1)安全意識の再徹底及びコンプライアンス教育の実施、(2)耐空性維持に必要な技術資料の適切な維持管理、(3)計画された整備作業の確実な実施と管理と、大きく3点で対応を求めています。

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