知覧特攻平和会館、四式戦闘機「疾風」の機体調査を実施

知覧特攻平和会館、四式戦闘機「疾風」の機体調査を実施

鹿児島県南九州市の「知覧特攻平和会館」は2019年9月6日(土)から9月9日(月)まで、同館に展示されている四式戦闘機「疾風」の機体調査を実施しました。

四式戦闘機は、第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍の戦闘機です。展示されている「疾風」は、1945年1月にフィリピンに進攻したアメリカ軍が完全修復し、プレーンズ・オブ・フェイムに払い下げられました。1948年に里帰り飛行後、宇都宮で飛行可能な状態で保管されましたが、京都、和歌山での保管で飛行不能になり、その後に知覧町が取得し、知覧特攻平和会館では良好な状態で保管、展示されています。

調査では、翼の下面のパネルを開き、主翼の内部構造の保存状態が確認されました。燃料タンクには173リットルの燃料が入り、防漏や防火対策のため、12ミリメートルのゴムで覆われ、さらに表面は布で覆われていました。ゴムは部分的な劣化が見られていますが、全体的に保存状態は良好であることが確認されました。

調査では、展示されている機体が、1,446番目に製造されたことがわかる刻印が発見されています。「疾風」は、3,500機ほど生産されていますが、現存機は同館の展示機のみです。このほか、「疾風」を製造した中島飛行機の「中」という刻印も見られました。

知覧特攻平和会館では、機体調査を2016年から開始しており、当初製造された部分箇所と修理箇所の把握や、刻印などの情報の確認、保存状態の調査、保全の処置を実施しています。

期日: 2019/09/06 〜 2019/09/09
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