デルタ航空博物館に所蔵するため、歴史的な機体で「Ship 717」として知られるダグラスDC-7Bが2019年11月中旬、アリゾナからアトランタに帰還しました。
デルタ航空は、ダグラスDC-7Bを全盛期に10機運航し、客室後部のラウンジで豪華な空の旅を実現しました。DC-7より強力なパワーと航続距離を備えたDC-7Bは第2次世界大戦直前に開発され、デュプレックスサイクロンR-3350エンジンを4機搭載し、改良を通して商業飛行に広く採用されました。しかし1968年には、航空業界が新たなジェットエンジンに切り替えるようになり、デルタ航空はDC-6およびコンベア440シリーズを含む最後のダグラスDC-7タイプの航空機とピストンエンジンのプロペラ機に別れを告げました。
デルタ航空から退役後、Ship 717は2008年にその役割を終えるまで、西海岸での消火活動で活躍し、数年前にデルタ航空博物館がこのクラシック機の存在に気づき、購入機会に飛びつきました。
今回、アトランタへ帰還するフライトを運航するため、11年ぶりのフライトに備え、夏には気温が華氏110度、摂氏43度にもなるアリゾナのクーリッジで、修理、飛行テストが繰り返されました。アトランタへのフェリーフライトは、テキサス州ミッドランドでの1泊を含め、9,500フィートの距離を計6.5時間で飛行し、11月17日(日)17時過ぎアトランタに到着し、このDC-7Bはデルタのテクニカルオペレーション施設に向かいました。
長年のオーナーだったウッディー・グランサムさんは、さよならを告げるのはほろ苦い瞬間であるものの、DC-7Bが故郷に帰還し、デルタ航空博物館で永久化されることは表現できないほど幸せなことであるとコメントしています。