防衛省統合幕僚監部は2020年4月9日(木)、2019年度の緊急発進(スクランブル)の実施状況をまとめ、発表しました。公表内容によると、2019年度のスクランブル発進の回数は947回で、前年度と比べ52回減少でしたが、1958年に対領空侵犯措置を開始して以降、3番目に多い水準です。
推定を含むスクランブル発進の内訳は、対中国機に対して675回と前年度の638回から増加し最も多く、対ロシア機が268回で前年度の343回となり2年連続の減少でした。
航空方面隊別では、北部航空方面隊が198回、中部航空方面隊が35回、西部方面航空隊が133回、南西諸島を所管する南西航空混成団が581回となり、中国機に対するスクランブル発進の回数の増加が反映されています。
中国機は東シナ海での飛行に加え、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を飛行する事例が多くありますが、領空侵犯事案はありませんでした。ロシア機は2019年6月20日(木)に南大東島領空、八丈島領空でTu-95、7月23日(火)にA-50が竹島領空内を飛行する領空侵犯事案が確認されています。