アメリカ空軍、F-15EX戦闘機の初期生産ロット8機分を契約

アメリカ空軍、F-15EX戦闘機の初期生産ロット8機分を契約

ニュース画像 1枚目:F-15EX
© U.S. Air Force courtesy photo
F-15EX

アメリカ空軍は2020年7月13日(月)、ボーイングとF-15EX戦闘機の初期生産ロット8機、およそ12億ドルの契約を締結しました。スペア、サポート機器、トレーニング資料、技術データ、テクニカルサポートを含むF-15EX航空機の設計、開発、統合、製造、テスト、検証、認証、納入、維持、改修などが契約に含まれ、すでにセントルイスのボーイングF-15生産施設で最終組み立てが進められています。

今回契約した8機は、エグリン空軍基地に配備され、各種試験を実施します。最初の2機は2021年第2四半期、残る6機は2023会計年度に納入されます。この契約と同時に、アメリカ空軍はF-15EXの調達で、納入期限なし、機数不定で契約総額およそ230億ドルも締結しています。

これにより、F-15C/Dを更新し、長年の実績を積み重ねたF-15に最新装備を搭載したF-15EXで機数を確保します。2020年度予算では8機ですが、2021年度予算では12機を要求しており、5年間で計76機のF-15EXを契約する予定で、最終的には144機を導入する計画です。

F-15EXは、サウジアラビア空軍向けF-15SA、カタール空軍向けF-15QAなどを元に開発されている模様です。具体的には、フライ・バイ・ワイヤ操縦システム、赤外線捜索追跡システム(IRST)、AESAレーダー、ヘルメット・マウント照準システムなどデジタル電子戦装置、世界最速のミッション・コンピューターを導入します。

また、F-15SAやF-15QAで実現した兵装ステーションを追加し、ステルス機では実現できない兵器搭載量、これまでのF-15C/Dと比べ2倍程度を搭載可能になると想定されます。ボーイングも、他の戦闘機と比べ多くの兵器を搭載できると明らかにし、長さ22フィート、重さ3,175キログラムまでの兵器を搭載できるとコメントしています。

アメリカ空軍はF-15EXで、現行機からスムーズな移行を求めています。現在、F-15のパイロットと整備士たちは数日でF-15EXへ移行することが期待され、配備先はF-15C/Dを運用する基地とみられます。

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