EASA、737 MAX運航再開を承認 定期便再開にはまだ時間必要

EASA、737 MAX運航再開を承認 定期便再開にはまだ時間必要

ニュース画像 1枚目:LOTポーランド航空 737 MAX イメージ (twining07さん撮影)
© FlyTeam twining07さん
LOTポーランド航空 737 MAX イメージ (twining07さん撮影)

ヨーロッパ航空安全庁(EASA)は2021年1月27日(水)、ボーイング737 MAX型改修機について、運航再開を承認しました。ソフトウェアのアップグレード、配線の再配置の改修を前提に、メンテナンスチェック、オペレーションマニュアルの更新、乗務員の再訓練などソフト面でも変更を求め、一連のアップデートを前提として再び定期便での飛行を承認しました。

EASAによる737 MAXの運航再開に向けた審査は、ボーイング、アメリカ連邦航空局(FAA)と完全に独立して実施されました。EASAが独自に飛行試験を実施したほか、シミュレータの確認が行われています。運航再開の承認にあわせ、EASAは今後も737 MAXの運航を注意深く監視していくとコメントしています。

FAAは2020年11月18日(水)、ボーイング737-8型機と737-9型機の商用運航再開を認可。また、ブラジル国家民間航空庁(ANAC)は同年11月25日(水)、アメリカ連邦航空局(FAA)と共同で、ブラジルでのボーイング737-8型機の商用運航の再開を認可しました。これを受け、ブラジルのゴル航空が同年12月9日(水)から、国内線でボーイング737 MAX型機を使用した商用運航を世界で初めて再開。アメリカでは、アメリカン航空が12月29日(火)に737 MAXを運航再開。さらに、カナダのウェストジェットが2021年1月21日(木)に運航を再開しています。

EASAは、737 MAXには2件の事故原因とされる失速を防ぐ自動制御システム(MCAS)に加え、迎角 (AoA:Angle of Attack)センサーを含む設計と性能に誤りがあり、全般的な改修、さらにパイロットの訓練などが必要と指摘しています。運航再開は、それぞれの航空会社が各種の安全条件を満たし、各国の航空当局が監督・最終承認する必要があります。このため、ヨーロッパの航空会社がすぐに運航を再開することにはならないと、EASAが見通しを示しています。

ボーイングはEASAの判断を受け、2件の事故に改めて哀悼の意を表しています。この事故を受け、安全性、品質、誠実さに大きな注意を払う体制を整え、各航空会社とともに737-8 MAXと737-9 MAXを安全に運航できるよう、引き続き努力するとコメントしています。

なお、ヨーロッパの航空会社では、ノルウェー・エアシャトル(ノルウェイジャン)、LOTポーランド航空、TUIグループ各社、スマート・ウイングスなどが737 MAXを保有しています。

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