オーストラリア競争当局、JALとカンタスの共同事業案の認可拒否

オーストラリア競争当局、JALとカンタスの共同事業案の認可拒否

ニュース画像 1枚目:JAL ワンワールド
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JAL ワンワールド

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は2021年5月6日(木)、日本航空(JAL)とカンタス航空が締結した5年間の共同事業案の中で、オーストラリアと日本間のフライト調整について認可を拒否するとの仮決定をまとめました。

ACCCは、スケジュール調整を認可することで、コロナ禍前のように、JALとカンタス航空が日本/オーストラリア間を往来する乗客をめぐり競争する見込みがなくなると思われると指摘。このような環境は消費者を犠牲にし、航空会社に利益をもたらすとの判断を示しています。また、申請されているスケジュール調整は、公共の利益が競争による悪影響を上回る場合にのみ認可するとして、現段階でカンタス航空とJALの提案はそぐわないと見ています。

JALとカンタス航空の提携は、オーストラリアと日本間のフライトを迅速に再開し、コロナ禍から短期的な利益が得られる可能性についてもACCCは考慮したものの、他の航空会社が日豪路線に就航することが困難になるとの考えを示しています。

コロナ禍前、カンタス航空とJALは、メルボルンと東京を結ぶ直行便を運航している唯一の航空会社でした。日本/オーストラリア間ではこのほか、JALが羽田/シドニー線、カンタス航空がシドニー発着の羽田、関西線、成田/ブリスベン線、全日空(ANA)が羽田/シドニー線、成田/パース線を運航しており、ヴァージン・オーストラリアが2020年3月に羽田/ブリスベン線を就航する計画もありました。

JALとカンタス航空は、コロナ禍からの国際線の運航再開を見据え、新たな共同事業計画を2020年12月末に発表。コードシェア路線の拡大に加え、日本/オーストラリア間の新路線開設も検討し、旅行者の利便性向上、国際線のより早い回復促進の考えを示していました。

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