アラスカ航空、運航管理業務にAI搭載システム導入

アラスカ航空、運航管理業務にAI搭載システム導入

ニュース画像 1枚目:ディスパッチャー、業務イメージ
© Alaska Airlines
ディスパッチャー、業務イメージ

アラスカ航空は2021年5月25日(火)、人工知能(AI)と機械学習を用い、運航管理業務を最適化する仕組みを導入したと発表しました。AI搭載システムによる運航状況の監視と経路管理の導入により運航管理業務で重要な意思決定を迅速化し、その判断を支援します。アメリカの航空業界での導入は初めての取り組みです。

航空会社は、様々な状況を材料として飛行計画を立案し、航路を決め、乗務するパイロットが運航しています。飛行計画の段階で、出発地から目的地までの航路における天候、報告されている気流の乱れ、機体の性能、航空会社で定める安全ポリシー、管制の状況、他社の運航便を含めた交通量などを考慮し、フライトの安全な航路を決定、実際の運航につなげています。

非常に複雑なワークフローのため、航空会社が導入しているコンピュータシステムで全ての情報、変化する状況を1つにまとめたシステムはありません。さらに、多くの航空会社が同じ空域、航路を飛行している場合、状況の変化を考慮したり、それを予測する機能もない状態です。

アラスカ航空は、AIと機械学習をベースに民間航空会社の運航を支援する4Dマッピング、予測、レコメンデーションのプラットフォーム「Flyways AI」を導入。自社が計画したフライト、飛行中の運航便の安全性、管制の判断などを評価しました。「Flyways AI」は、乱気流の回避、計画中より効率よい航路をディスパッチャーに提案。6カ月間の試行期間中、「Flyways AI」が幹線の運航便で64%にマイル数と燃料使用量を削減する機会があると提案、運航管理者(ディスパッチャー)はおよそ半分の32%で提案を受け入れました。

「Flyways AI」は、アメリカ国内線を運航する全てのフライトを考慮し、変化する動きを包括的に捉え、機械学習を応用してアメリカ全体の空域を予測。天候、航空交通量、管制などの制約・条件付き飛行なども加味し、対象の運航便への影響を予測しています。最大8時間先までの未来の航空交通を予測し、運航の意思決定者たちの判断の迅速化、合理化にも寄与します。

さらに、消費燃料量と温室効果ガス排出量を削減、燃料コスト削減にもつなげます。運航するパイロットも安全で効率的なルートで実際に飛行でき、搭乗客は時間に正確に目的地に到着できるようになります。

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