陸自向け新多用途ヘリコプターUH-X開発完了、UH-2として納入へ

陸自向け新多用途ヘリコプターUH-X開発完了、UH-2として納入へ

ニュース画像 1枚目:明野駐屯地で進められていた技術実用試験、今後UH-2として陸自へ納入 (T spotterさん撮影)
© FlyTeam T spotterさん
明野駐屯地で進められていた技術実用試験、今後UH-2として陸自へ納入 (T spotterさん撮影)

防衛省は2021年6月24日(木)、陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプターUH-2の開発が完了したと発表しました。この新多用途ヘリコプターは開発事業者に富士重工業(当時、現・SUBARU)を選定、2015年度から新多用途ヘリコプター「UH-X」の開発が進められていました。SUBARUはベル・ヘリコプターと共同開発、Bell 412を発展させた「412EPX」をベースとしています。

開発を手がけるSUBARUは2019年2月、航空宇宙カンパニー宇都宮製作所で防衛省へUH-X試作機「45001」を納入。この機体は2018年に製造され、初飛行を経て、防衛省にXUH-2として引き渡しされました。明野駐屯地へ移送され、技術実用試験が進められていました。2021年6月に、部隊使用が承認されたと防衛省が発表し、開発が一段落します。

これを受け、「UH-2」として運用される量産機が今後20年で150機程度、陸自に納入される予定です。この機種は現行機のUH-1Jの後継機で、師団・旅団飛行隊、方面ヘリコプター隊等に装備される予定です。空中機動、航空輸送などの各種任務に使用されますが、特に離島防衛や災害救助での活躍が期待されています。

なお、UH-Xは、2018年7月に「SUBARU BELL 412EPX」として型式証明を取得した最新型ヘリコプターをベースに開発されています。民間向け「412EPX」と軍用向け「UH-X」は同時開発され、これまでのベル412の多用途性を維持し、エンジン出力をメインローターブレードに伝達する変速機構のメイン・ローター・ギアボックスを強化しています。このギアボックス内の潤滑油が抜けた状態で30分間の飛行が可能なドライラン能力などが向上しています。

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